スケルトンリフォームの費用は?期間・注意点・補助金まで徹底解説


「古くなった家を新築同様の快適さに生まれ変わらせたい」「でも、建て替えるには費用がかかりすぎる…」そんな悩みを持つ方に注目されているのが「スケルトンリフォーム」です。

住宅の構造体(骨組み)だけを残し、内装・設備・断熱性能などを一新できる施工方法で、近年その需要が高まっています。しかし、「費用はどれくらい?」「築古でも可能?」「どんな家が向いてるの?」など、疑問も多いはず。

この記事では、スケルトンリフォームの費用相場、他のリフォームとの違い、後悔しないためのポイントまで、初めての方にも分かりやすく解説していきます。

一級建築士うりちゃん監修者:
一級建築士
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スケルトンリフォームは、「家の中身を総入れ替えする大規模リフォーム」とイメージしていただくと分かりやすいです。建て替えほどの工事ではない一方で、部分的なリフォームとは規模も費用も大きく違います。 「どこまで工事するのか」「自分たちの暮らしにどんな変化があるのか」を意識しながら読み進めていただくと、ご自身のケースに置きかえやすくなりますよ。

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スケルトンリフォームの主な特徴と通常リフォームとの違い


スケルトンリフォームという言葉は広まりつつあるものの、「リノベーションやフルリフォームと何が違うのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、スケルトンリフォームの定義や通常のリフォームとの違いについて整理し、どのようなメリットがあるのかを明らかにしていきます。

スケルトンリフォームとは何か

スケルトンリフォームとは、建物の骨組み(構造体)を残し、それ以外の内装や設備をすべて解体・更新する工事方法です。たとえば、床・壁・天井・配管・配線・キッチン・バスルーム・トイレ・窓など、ほぼ全てが一新されます

スケルトン(Skeleton)とは「骨格」を意味する言葉であり、まさに「骨だけ残す」という施工内容を示しています。つまり、古い建物であっても見た目も中身も現代的な住宅に生まれ変わることができるのです。また、新築と同様の快適さを得られる一方で、既存の構造体を活用するため、建て替えよりもコストを抑えることも可能です。

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ここでいう「構造体」とは、家を支える柱・梁・基礎などのことで、人間の骨にあたる部分です。スケルトンリフォームでは、この“骨”を活かすため、事前にその強さや傷み具合をきちんと確認することがとても大切です。逆に言うと、構造体がしっかりしていれば、内装や設備はほぼ自由に一新できるので、「今の家の良いところは残しつつ、中身を総リニューアルする」という考え方がしっくりくると思います。

フルリフォームとの違い

「スケルトンリフォーム」と「フルリフォーム」は混同されがちですが、実際には施工範囲と自由度に大きな違いがあります。まず、フルリフォームとは、居住空間の全面的な改修を指しますが、構造体や壁の一部を残すケースが多く、間取り変更には限界があります。

一方、スケルトンリフォームでは構造体以外を取り除くため、間取りをゼロから自由に設計できるというメリットがあります。たとえば、壁付けキッチンを対面式に変更したり、和室を完全に洋室化したり、水回りの位置自体を大きく移動したりといった工事も可能になります。その結果、ライフスタイルに合わせた空間づくりがしやすくなるのです。

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「どこまで壊すか」が、フルリフォームとスケルトンリフォームの一番大きな違いです。フルリフォームは“仕上げや設備を総とっかえする”イメージに対し、スケルトンは“いったん骨組みだけの状態にして組み直す”イメージです。そのぶん自由度は高いですが、構造の考え方や法規にも配慮しながら計画する必要があり、設計力や技術力が求められます。信頼できる専門家に相談しながら検討すると安心ですよ。
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スケルトンリフォームの費用相場と内訳


スケルトンリフォームに関心を持ったとき、多くの人がまず最初に気になるのが、費用がどれくらいかかるのかという点です。通常のリフォームよりも大がかりな工事であるだけに、費用が高額になる印象を持つ方も多いでしょう。ここでは、戸建てとマンションの違いや坪単価、費用が上がる理由、そして費用に含まれる工事項目について詳しくご説明します。

戸建て・マンション別の費用目安

スケルトンリフォームの費用は、建物の種類によって大きく異なります。たとえば戸建て住宅は、建物のすべてを所有者が管理しているため、外壁や屋根といった構造部分まで工事範囲に含まれます。そのため、同じ延床面積であっても、マンションよりコストがかかる傾向があります。

実際に、30坪ほどの戸建て住宅をフルスケルトンにした場合、費用はおおよそ1,200万〜2,000万円が目安となります。一方、マンションのスケルトンリフォームであれば、構造体や外壁が共用部として管理されているために工事範囲が限られ、費用は800万〜1,500万円程度に収まるケースが多いです。このように、住宅の所有形態と工事範囲の違いが、リフォーム費用に大きな影響を与えるのです。

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費用の目安は、あくまで「標準的なケース」でのお話です。同じ30坪でも、劣化の程度や希望するグレード、設備の数によって金額は大きく動きます。ざっくりとしたイメージとしては、戸建てなら“コンパクトな新築一棟分に近い費用”、マンションなら“広めの新築マンション一戸分くらいの費用”になることが多い印象です。最初の相談段階では、上限予算を少し広めに見ておくと安心ですよ。

坪単価と総費用の目安

スケルトンリフォームの費用を把握する際によく使われる指標が「坪単価」です。この坪単価とは、1坪(約3.3㎡)あたりのリフォーム費用を示すもので、設備のグレードや施工内容に応じて大きく変動します。

たとえば、必要最低限の設備と内装を整えるローグレードな仕様であれば、坪あたり35万〜50万円程度が相場です。一方、標準的な機能性と美観を両立するミドルグレードでは50万〜70万円、デザイン性や高機能設備を重視したハイグレードでは70万円を超えることもあります。

仮に、40坪の戸建てをミドルグレードで施工する場合、坪単価を60万円とすると、総費用は約2,400万円になります。ただし、これはあくまで一例であり、物件の状態や希望する内容によって大きく変動することを忘れてはいけません。

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「坪単価」は比較の目安として便利ですが、それだけで判断すると誤解もしやすい指標です。たとえば、水回りを増やす、収納を造作でしっかりつくる、造り付けの家具を多くする、といったご要望が増えるほど、同じ坪数でも費用は上がります。大切なのは、坪単価だけを見るのではなく、「自分たちの暮らしに必要な内容が、その金額の中にどこまで含まれているか」をセットで確認することです。

費用が上がるケースとその理由


スケルトンリフォームの工事では、見積もり段階では把握できなかった部分で追加費用が発生することがあります。その最も代表的な例が、解体後に判明する構造体の劣化です。

たとえば、柱がシロアリに浸食されていたり、土台の一部が腐食していたりする場合、それらを補修・交換しなければなりません。また、築年数が古い住宅は耐震性が不足していることが多く、構造補強を行うための費用も必要になります。

さらに、水道管や電気配線が老朽化していると、全面的な交換工事が必要となり、想定以上のコスト増につながることも少なくありません。これらの要素は表面からは見えにくく、スケルトンリフォームだからこそ明らかになる部分です。そのため、事前の調査と予備費の確保が、後悔しない予算管理につながります。

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追加費用がかかると聞くと不安になりますが、「悪いところが見つかってよかった」と前向きに捉えていただくのがおすすめです。隠れた劣化をそのままにして見た目だけを整えてしまうと、数年後に大きな不具合や修繕費が発生するリスクが高まります。全体予算の1〜2割程度を“予備費”としてあらかじめ確保しておくと、想定外の補修が出ても慌てずに対応しやすくなりますよ。

費用に含まれる内訳とは


スケルトンリフォームの費用には、さまざまな工事項目が含まれています。単に内装を一新するだけでなく、見えない部分の更新や構造体への工事が加わるため、費用構成も複雑です。

まず、最初に行われるのが解体工事です。内壁や床、天井の撤去に加えて、水回りの設備、配管、配線なども全て取り除かれます。次に、建物の状態に応じて耐震補強や断熱改修が施され、さらに新しい間取りに基づいて柱や壁の再配置が行われます。

その後、キッチンや浴室、トイレなどの設備機器が取り付けられ、床や壁、天井の内装仕上げが施されます。このように、解体から仕上げまでの一連の工程がすべて含まれるため、部分的なリフォームより費用が高くなるのは当然とも言えるでしょう。しかし、それだけに完成後の満足度も高く、見た目だけでなく「機能面」や「安全性」までも改善できる点が、スケルトンリフォームの大きな魅力です。

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工事の内訳を見ると専門用語が多く、最初は戸惑われると思いますが、「壊す・直す・つくり替える・仕上げる」という流れで整理すると理解しやすくなります。特にスケルトンリフォームでは、「壊してみて初めて分かる部分」と「事前調査である程度読める部分」が混在しますので、見積書の段階で“どこまでが確定費用で、どこからが変動の可能性があるのか”を担当者に確認しておくと、後からのズレを減らせます。
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スケルトンリフォームで後悔しないためのポイント

スケルトンリフォームは大規模で自由度の高いリフォームですが、その分「思ったより費用がかかった」「使い勝手が悪い間取りになってしまった」といった後悔も起きやすくなります。ここでは、満足のいく仕上がりを実現するために押さえておきたいポイントを紹介します。

事前の住宅診断と構造チェック

スケルトンリフォームを成功させる第一歩は正確な住宅診断であり、既存の構造体(柱・梁・基礎など)が十分な強度を保っているかを確認するために行われます

耐震性能に問題はないか、白アリ被害はないか、雨漏りの痕跡の有無などを丁寧にチェックすることで、予期せぬ追加工事や費用の発生を未然に防ぐことができます。その後、診断結果に応じて構造補強や断熱改修の計画を組み込み、将来的なトラブルを防ぐことが、より安全で快適な住まいの実現へとつながります。

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住宅診断(インスペクション)は、「この家をここから何十年使っていけるか」を見極める健康診断のようなものです。診断結果をもとに、どこにお金をかけるべきか、逆にどこは最低限でよいかを整理していくと、限られた予算の配分がしやすくなります。築年数が古いほど不安も大きいと思いますが、数字や写真で状態を確認しながら進めると、感覚ではなく“納得感のある判断”につながりますよ。

断熱・耐震・配管など見えない部分への配慮

スケルトンリフォームでは、外から見えない部分の更新こそが重要です。特に、断熱材やサッシ、耐震補強、老朽化した配管・配線の更新は、長期的な快適性と安全性に直結するポイントです。

たとえば、築古住宅では壁内に断熱材が入っていなかったり、単層ガラスのままだったりすることが多く、冬の寒さや結露の原因になります。こうした部分をリフォームのタイミングで改善しておくことが光熱費の削減にもつながるため、長期的に見て費用対効果は高いと言えます。

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リフォームではどうしても「キッチンのグレード」「お風呂のデザイン」など目に見える部分に目が行きがちです。ただ、毎日の暮らしのラクさや健康面を左右するのは、実は“断熱・耐震・配管”といった地味な部分だったりします。今ここで手を入れておくことで、将来のヒートショック事故や水漏れトラブル、余計な修繕費を減らせる可能性がありますので、「見えない部分にこそ投資する」という視点もぜひ持っていただけると良いと思います。

間取りや導線の最適化

スケルトンリフォームは、間取りを自由に設計できるのが魅力です。しかし、自由度が高いだけに、設計段階で生活動線や家具配置のイメージをしっかり持っておかないと、「おしゃれだけど使いにくい家」になってしまうリスクもあります。

たとえば、キッチンと洗面所が遠すぎると家事効率が下がったり、収納スペースが足りず後悔したりといった事例は少なくありません。そのような失敗をしないためにも、実際の生活を具体的に想像し、日常の動きに合わせた動線設計を行うことが、後悔しない家づくりのポイントになります。

施工業者選びのコツ


スケルトンリフォームは工事規模が大きいため、信頼できる施工業者選びが非常に重要です。単に価格が安いからという理由で選んでしまうと、必要な補強工事が省かれたり、施工の質にばらつきが出たりする恐れがあります。

したがって、業者を選ぶ際には、

  • スケルトンリフォームの実績があるかどうか
  • 建築士や施工管理技士が在籍しているか
  • 工事後のアフター対応が充実しているか

などを確認することが大切です。

加えて、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで適正価格を把握することができます。また、「話しやすさ」や「説明の丁寧さ」といった人間的な信頼感も、業者選びでは見逃せないポイントです。

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スケルトンリフォームは「どこまできちんとやるか」が結果に直結する工事なので、業者選びは値段だけでなく“中身”を見ることが大切です。打ち合わせの段階で、デメリットやリスクも含めて正直に話してくれるか、図面や見積もりの内容をかみくだいて説明してくれるか、といった点も重要なチェックポイントです。分からないことを遠慮なく質問できる相手だと、その後の細かい決めごともスムーズに進みやすく、安心感も大きくなりますよ。
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スケルトンリフォームに向いている住宅と向いていない住宅


スケルトンリフォームは、構造体だけを残して内装や設備を一新する工事のため、すべての住宅に適しているわけではありません。この章では、どのような住宅がスケルトン向きで、反対にどのようなケースでは建て替えの方が適しているのかを見ていきましょう。

木造と鉄骨造での違い

まず注目すべきは、建物の構造です。日本の戸建て住宅では、木造か鉄骨造が主流ですが、どちらもスケルトンリフォームは可能です。ただし、工事の自由度や費用面で違いがあります。

木造住宅は、構造がシンプルなため、壁を取り払ったり、間取りを変更したりしやすいという特徴があります。また、築年数が古くても補強・再利用がしやすく、コスト面でも柔軟に対応できる点が魅力です。

一方で、鉄骨造は構造がしっかりしている反面、壁を取り払うと強度に影響を与える場合があるため、構造計算や設計の制約が増える傾向にあります。特に、耐火性能や鉄骨の腐食状態なども事前調査が必要です。

築40年以上でも可能か

築年数が40年以上の住宅でも、スケルトンリフォームは不可能です。むしろ「古いからこそスケルトンで再生したい」と考える人も少なくありません。

では、なぜ築古住宅でもスケルトンが可能なのかというと、建築当時にしっかりした工法で建てられた家であれば、構造体の耐久性が意外と保たれていることがあるからです。構造体さえしっかりとしていれば、建て替えよりもコストを抑えながら、見た目も中身も新築同様にすることが可能です。

ただし、築年数が進むほど、構造部材の劣化や不具合のリスクが高まるのは事実です。たとえば、基礎にひび割れがある、柱が腐っている、屋根の下地が劣化している、などのような状態であれば、補強工事にかなりの費用がかかります。

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築40年以上と聞くと、「もう無理なのでは…」と感じられる方も多いのですが、大切なのは“築年数”そのものよりも“状態”です。同じ築40年でも、メンテナンスの履歴や立地条件によって傷み方は大きく変わります。逆に、見た目はきれいでも、構造部分が大きく傷んでいるケースもありますので、感覚だけで判断せず、専門家による診断をもとに「スケルトンでいくか」「建て替えか」を一緒に検討していくのがおすすめです。

耐震・劣化状態の判断基準

スケルトンリフォームの可否を判断するうえで特に重要なのが、建物の耐震性劣化の状態です。2000年に建築基準法が改正され、木造住宅の耐震基準が大きく見直されました。そのため、2000年以前に建てられた住宅は、耐震性能が不十分な可能性があり、補強工事が必須になることが多いです。

また、目視では判断しにくい構造体の腐食やシロアリ被害なども、スケルトンリフォームの妨げになることがあります。こうしたリスクを見極めるには、リフォーム会社による住宅診断(インスペクション)が欠かせません。ここまでをまとめると、見た目が古くても構造が健全であればスケルトン可能ですが、反対に、見た目が綺麗でも構造が弱っていれば建て替えの方が現実的ということになります。

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施工までの流れと期間の目安


スケルトンリフォームは工事規模が大きいため、完成までにかかる期間や手順をあらかじめ把握しておくことが重要です。この章では、計画段階から引き渡しまでの主な流れと、おおよそのスケジュールについて解説します。

打ち合わせから着工まで

まずはリフォーム業者との打ち合わせから始まります。打ち合わせの段階では、現地調査やヒアリングを通じて、建物の状態や家族構成、希望する間取り・設備などを確認します。ここで明確にしておくべきポイントは、予算・優先順位・今後のライフスタイルです。

なぜこれらを明確にする必要があるのかというと、スケルトンリフォームでは工事内容の選択肢が非常に多く、決めなければならないことが細部にわたるからです。たとえば、すべての希望を詰め込むと予算を大きく超えてしまう可能性があるため、絶対に譲れないポイントと、妥協できる部分を整理しておくことが、計画の現実性を高めます。また、間取りや設備の選択は、現在だけでなく将来の暮らし方にも深く関わります。子どもの成長・独立、親との同居、テレワークの継続など、将来的な変化を見越しておくことで、数年後に再度リフォームするリスクを回避できます。

さらに、事前にライフスタイルのイメージを共有しておくことで、設計士や施工担当者もそれを反映した提案がしやすくなり、完成後の満足度が格段に高まります。このように、リフォームの成功は打ち合わせの質に大きく左右されます。思いつきや感覚だけで進めるのではなく、理想と現実のバランスを見極めながら、優先順位を明確にする姿勢が重要なのです。

プランが固まったら、住宅診断(インスペクション)を実施し、構造体の状態や耐震性能などを確認します。その後、調査結果やプランをもとに設計図面が作成され、正式な見積もりが提示されます。このとき、必要に応じてローンや、利用可能な補助金の申請も並行して進められると良いでしょう。

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打ち合わせのときは、どうしても「間取りの話」や「設備選び」が中心になりがちですが、「これから先10〜20年、どんな暮らし方をしたいか」を一度ゆっくり言葉にしてみることをおすすめします。お子さまの成長や働き方の変化、親御さんの介護の可能性など、少し先のライフプランも共有しておくと、設計側も“将来まで見据えた提案”がしやすくなります。分からないことや不安な点は、メモにして遠慮なく相談していただいて大丈夫ですよ。

施工工程と日数の目安

施工が始まると、まずは既存の内装や設備の解体工事が行われます。続いて構造補強や断熱工事、新しい配管・配線の設置、間取り変更に伴う大工工事、内装仕上げと進んでいきます。

スケルトンリフォームの工期は、一般的に3〜6カ月程度です。ただし、建物の規模や劣化状態、天候や業者のスケジュールによっては、それ以上かかる場合もあります。

たとえば、築年数の古い住宅で耐震補強が必要なケースでは、4カ月以上かかることが珍しくありません。一方、マンションの一室を対象として、構造に大きな問題がなければ、3カ月以内で完了する場合もあります。

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工期が3〜6カ月と聞くと長く感じられるかもしれませんが、「解体→補強→つくり直し→仕上げ」という工程を一つずつ丁寧に積み重ねていくと、どうしてもこのくらいの期間は必要になります。また、天候や職人さんの手配状況によっても前後しますので、「○月△日に必ず引き渡し」と考えるより、「この期間内で余裕を持って引っ越し時期を決める」というイメージで捉えていただくと、精神的にも少しラクになります。

仮住まいの準備とタイミング

スケルトンリフォームでは建物の内部をすべて解体するため、居住しながらの工事は基本的に不可能です。そのため、施工中は仮住まいを準備する必要があります。仮住まいの期間は、解体前から引き渡しまでを含めて4〜7カ月程度を見込んでおくと安心です。

可能な限り早めに引っ越し先を探し、荷物の移動やライフラインの手続きを計画的に進めることが大切です。また、子どもがいる家庭や高齢者がいる場合は、生活リズムへの配慮や、移動距離を短くする工夫も検討しておくと良いでしょう。

主な仮住まいの様式としては、自宅の敷地内にプレハブ小屋を建てたり、親せき宅に一時的に同居する方法のほか、家具家電が備え付けられている物件も多いウィークリーマンションやマンスリーマンションという選択肢もあります。いずれの仮住まいも、それぞれにメリット・デメリットがあるため、家族の構成や通勤・通学の利便性、予算などを踏まえて慎重に検討することが重要です。

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スケルトンリフォームで活用できる補助金・減税制度

スケルトンリフォームは大規模な工事であるため、費用負担が大きくなりがちですが、国や自治体が用意している補助金制度や税制優遇を上手く活用することで、コストを抑えることが可能です。この章では、代表的な支援制度とその活用方法について解説します。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

国土交通省が実施している「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、既存住宅の性能を向上させるリフォームを支援する制度です。耐震性、断熱性、劣化対策、維持管理のしやすさなど、長期間快適に暮らすための性能向上工事を対象に、住居のタイプにも左右されますが、最大で210万円(2024年度基準)の補助が受けられました。

たとえば、スケルトンリフォームで断熱材を新設し、耐震補強を行ったうえで間取りを改善した場合、補助金の対象となる可能性が高いです。また、インスペクション(住宅診断)やリフォーム履歴の保存も評価対象となるため、事前に業者と相談しながら制度に沿った計画を立てることがポイントです。

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補助金は「後から申請すればいいもの」ではなく、「計画の最初から意識しておくもの」と考えていただくと失敗が少なくなります。制度ごとに、対象となる工事内容やスケジュール、申請のタイミングが細かく決められているためです。ご自身で全部調べようとすると大変なので、早い段階で「補助金をうまく活用したい」という希望を伝え、リフォーム会社や設計者と一緒に条件を確認していくとスムーズですよ。申請のタイミングも重要です。

住宅ローン減税との関係

スケルトンリフォームを住宅ローンを利用して行う場合、住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)が適用されることがあります。具体的には、借入金の年末残高の一定割合が、所得税から控除される仕組みです。

適用を受けるにはいくつか要件があり、主に以下を満たす必要があります。

  • 工事費が100万円以上であること
  • リフォーム後の住宅が一定の耐震基準を満たすこと
  • 自ら居住すること(賃貸は対象外)

スケルトンリフォームでは、構造の安全性を確保する工事が行われるケースが多いため、耐震基準を満たしやすく住宅ローン減税との相性は良好です。ただし、減税の適用には確定申告が必要となるため、工事前から手続きの準備をしておくとスムーズです。

自治体ごとの助成金例


国の制度に加えて、各自治体独自の補助金や助成制度を実施しているところもあります。たとえば、東京都の一部の区では「耐震改修補助金」や「バリアフリー改修支援金」が用意されており、工事費の3分の1〜2分の1程度を助成する例もあります。

また、地方自治体では「空き家改修補助金」や「移住・定住促進制度」として、地方移住に伴うスケルトンリフォーム費用を支援する制度も増えています。これらは年度ごとに内容が変わることが多いため、リフォームを検討し始めた段階で役所や公式ホームページを確認し、活用できる制度があるかどうかを調べておきましょう。

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よくある質問(FAQ)

スケルトンリフォームを検討する際、多くの人が抱える疑問や不安について、ここでは代表的なものを取り上げ、分かりやすくお答えします。

Q1. スケルトンリフォームと建て替えでは、どちらが費用的にお得ですか?
A. 一般的にはスケルトンリフォームの方がコストを抑えられる傾向があります。
既存の構造体を活かす分、解体・基礎工事が不要であり、固定資産税も建て替えより上がりにくいためです。
ただし、建物の劣化が激しい場合は、建て替えの方が長期的に有利なケースもあります。

Q2. 間取りはどこまで自由に変更できますか?
A. 構造体を残すことが前提となるため、耐力壁や柱を抜けない場合があります。
とはいえ、多くのスケルトンリフォームでは、キッチンの位置変更や壁の撤去による広いLDK化、収納拡充など、自由度の高い間取り変更が可能です。

Q3. 築40年以上の家でもスケルトンリフォームはできますか?
A. 可能ですが、建物の状態によって異なります。
築年数の古い建物は、建物ごとに損耗度に非常にばらつきがあるため、インスペクション(住宅診断)を通じて、適応可否を判断するのが一般的です。
基本的には、構造体に重大な劣化がない限り、適切な補強を施すことで十分に対応できます。

Q4. 工事中は家に住めますか?
A. 原則として、住むことはできません。
内部をすべて解体するため、安全面や生活機能の面から、仮住まいの準備がほぼ必須です。
仮住まいを確保する際は工期の目安である、おおむね3〜6カ月程度で考えておくことをおすすめします。

Q5. 補助金や減税制度を受けるにはどうすればいいですか?
A. 補助金の申請には、工事内容が条件に合致している必要があり、事前申請が必須です。
また、住宅ローン減税についても、リフォーム後に一定の基準を満たす必要があります。
いずれの制度を利用する場合も、リフォーム会社と連携し、着工前から計画的に手続きを進めることが重要です。

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まとめ


スケルトンリフォームは、既存の骨組みを活かしながら、内装・設備・間取り・性能を一新できる大規模リフォームです。建て替えよりもコストを抑えつつも、自分たちの理想に近い住まいを実現できる選択肢として、多くの家庭に注目されています。

ただし、その自由度の高さゆえに、綿密な計画と信頼できる施工業者の選定が欠かせません。特に、築年数の古い住宅や、構造に不安がある建物では住宅診断をしっかり行い、必要な補強や断熱・配管の改修を盛り込むことが大切です。

また、費用面では補助金や減税制度の活用によって負担を軽減できる可能性があります。事前に自治体の支援制度や国の制度を確認し、工事の計画段階から手続きを進めておきましょう。ご自身の暮らしに本当に合った住まいを手に入れるために、じっくり検討し、後悔のないリフォームを実現してください。

一級建築士うりちゃん監修者:
一級建築士事務所
代表 うりちゃん
一級建築士
インスタグラム:「うりちゃん|いちばん寄り添う建築士をめざす。」運営者
2011年に大手建設会社へ新卒入社し、マンションや事務所ビル等の設計・現場監督に従事。その後、官公庁にて図書館や学校等の公共施設の設計・監理、建築確認申請の審査業務などを担当。現在は一級建築士事務所代表として、SNS発信を通じ、全国のご家族が安心して家づくりを進められるようにサポートする活動をしている。

インスタグラム:うりちゃん|いちばん寄り添う建築士をめざす。代表

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