マンションリフォームの費用相場とは？種類や選び方などを解説

最終更新日：2025年12月8日

マンションリフォームを検討する際は、費用相場や工事の種類を正しく把握することが重要です。

設備や内装の老朽化、ライフスタイルの変化に応じてリフォームを行うことで、暮らしやすさや快適性が大きく向上します。

しかし、工事内容によって費用は大きく異なり、事前の情報収集と計画が不可欠です。

壁紙の張り替えやフローリング工事などの内装リフォームから、間取りの変更やキッチンの移設といった大規模な工事まで、選択肢は多岐にわたります。

本記事では、マンションリフォームの費用相場や工事の種類ごとの特徴、選び方のポイントについて詳しく解説します。失敗を防ぎ、満足度の高いリフォームを実現するために、ぜひ参考にしてください。

監修者：
木瀬 裕介
二級建築士

間取り変更や設備のアップデートをきっかけに、マンションのリフォームを検討する方も多いかと思います。住み慣れた空間をより快適にしたいというニーズは年々高まっています。
中古でマンションから購入する場合には、管理費の状況なども調べてから購入しましょう。

マンションリフォームの費用相場

ここでは、マンションリフォームの費用相場について解説していきます。内装リフォームと間取りの変更で費用が異なってきます。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

マンションのリフォームは、一戸建てとは異なる制約があるため、費用だけでなく工事の自由度にも注意が必要です。特に配管や構造壁などの関係で、予定どおりに進まないケースも少なくありません。

マンションリフォームの種類

マンションリフォームの内装リフォームは以下のとおりです。

• 壁紙の張り替え
• 内窓の増設
• コンセントの増設や移設
• フローリングの張り替え
• 畳の張り替え

次に間取りの変更です。

• 間仕切り壁の撤去や追加
• キッチンの移設
• 部屋を２つにつなげる

費用相場

マンションリフォームの費用相場は、工事の内容や範囲によって大きく異なります。

内装リフォームでは、壁紙の張り替えが1㎡あたり1,000円から2,000円、内窓の増設が1箇所あたり5万円から15万円、コンセントの増設や移設が1箇所あたり5,000円から15,000円が目安です。

フローリングの張り替えは1㎡あたり5,000円から20,000円、畳の張り替えは1枚あたり6,000円から20,000円程度が相場となります。

間取りの変更では、間仕切り壁の撤去や追加が10万円から30万円、キッチンの移設は50万円から150万円、部屋を2つにつなげる工事は10万円から30万円程度が一般的です。

リフォームを進める際には、施工内容だけでなく、マンションの管理規約や工事の可否、追加費用の可能性も確認しておくことが重要です。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

信頼できる業者との事前の打ち合わせや見積もりの比較を丁寧に行い、予算と目的に合った工事計画を立てることで、無駄のない満足度の高いリフォームが実現できます。実際の費用は選ぶ素材や工事範囲によって異なります。壁を壊して間取りを変える工事や、配管の移設が絡む工事は、予算が大きく変動しやすいため注意が必要です。また、改修前にどこまでやっていいのか？など管理組合に確認が必要ですね。構造や築年数によっても対応可否が分かれるので、事前に確認しておきましょう。

マンションリフォームの種類と種類別参考価格

マンションリフォームの費用は、内装リフォームと間取りの変更で価格が異なってきます。それぞれの特徴や価格を把握しておきましょう。

内装リフォーム

マンションの内装リフォームは次のような種類に分かれます。

• 壁紙の張り替え
• 内窓の増設
• コンセントの増設や移設
• フローリングの張り替え
• 畳の張り替え

それぞれの種類によって特徴や費用に違いが出てきます。

壁紙の張り替え

マンションの内装リフォームにおいて、壁紙の張り替えは人気が高く、部屋の印象を大きく変える点が特徴です。

デザイン性と機能性を兼ね備えた壁紙を選ぶことで、住まいの快適性を向上させることが可能です。

壁紙の種類によって価格は異なり、ビニールクロスであれば1㎡あたり1,000円から1,500円程度が相場となります。高機能タイプやデザイン性の高い壁紙は、1㎡あたり2,000円以上になることもあります。

施工費には、既存の壁紙の剥がし作業や下地処理の費用が含まれるため、全体としての費用は1室で5万円から10万円が目安です。

壁紙張り替えは短期間で施工が完了し、生活への影響が少ない点も魅力といえます。

リフォームを検討する際は、素材や機能、施工範囲を踏まえて、費用対効果の高いプランを立てることが大切です。

内窓の増設

内窓の増設は断熱性や防音性を高める有効な手段として注目され、既存の窓の内側にもう一枚窓を取り付けることで、外気の影響を抑え、冷暖房効率を向上させることができます。

さらに、防音効果も高まるため、騒音が気になる住環境でも快適に暮らせます。

費用は窓のサイズや種類によって異なりますが、一般的には1箇所あたり5万円から15万円程度が相場です。高性能な複層ガラスを選んだ場合は20万円を超えることもあります。

施工には特別な大規模工事は不要で、半日から1日で完了するケースが多いため、生活への影響も最小限に抑えられます。

内窓の増設は、省エネ効果と快適性を両立できるリフォームであり、長期的に光熱費の削減にもつながるため、コストパフォーマンスの高い選択です。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

内装リフォームは比較的着手しやすく、工期や費用も抑えやすいのが特徴です。ただしマンションの場合、共用部との境界や音の問題には注意が必要です。どこまでが共用部か？などをあらかじめ確認することが重要です。

コンセントの増設や移設

内装リフォームにおいて、コンセントの増設や移設は生活の利便性を大きく向上させるポイントです。家電の使用場所や数に応じて適切に配置することで、配線の煩雑さを解消し、安全性も高まります。

特にリモートワークや家電の増加により、コンセントの不足を感じる家庭では重要な工事です。費用は1箇所あたり5,000円から15,000円が相場で、壁内部の配線状況や距離によって変動します。

移設の場合は、壁や床の開口作業が必要となるため、追加費用が発生することがあり、また、分電盤の容量によっては、回路の増設が求められるケースもあります。施工は半日から1日で完了することが多く、比較的手軽に行える点も魅力です。

コンセントの配置は日常生活の快適性に直結するため、将来のライフスタイルも見据えて計画することが重要です。

フローリングの張り替え

内装リフォームで人気の高い工事の一つが、フローリングの張り替えです。

床の素材を変更することで、部屋全体の雰囲気が大きく変わり、快適な居住空間を実現できます。

使用されるフローリング材には、合板タイプや無垢材があり、見た目や機能性、価格に違いがあります。

一般的な合板フローリングは、1㎡あたり5,000円から10,000円程度が相場となり、無垢材は自然な風合いが魅力ですが、価格は1㎡あたり10,000円から20,000円程度と高めです。

施工費には、既存床材の撤去や下地処理、材料費が含まれます。

施工期間は部屋の広さによりますが、2日から4日ほどで完了するケースが多いです。

フローリングの種類によっては防音性能や断熱効果が向上し、生活の質を高めることも可能です。

ライフスタイルや使用目的に合った素材を選ぶことが、後悔しないリフォームの実現につながります。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

選択肢が恐ろしくあるのがフローリングです。工法、材料、デザイン、価格、機能。床材を変更する際は、遮音性能のルールがマンションによって定められていることがあります。（畳やカーペットからフローリングにすると生活音がうるさくなることがあるからです）事前に管理規約や施工会社と相談しておくと安心です。

畳の張り替え

マンションの内装リフォームにおいて、畳の張り替えは和室の美観と快適性を保つために欠かせない工事です。畳は経年劣化により色あせや凹みが発生するため、定期的な張り替えが必要となります。

畳の張り替えには「表替え」「裏返し」「新調」の3種類があり、状況に応じて最適な方法を選びます。 一般的な表替えは1枚あたり6,000円から12,000円程度、新調の場合は1枚あたり10,000円から20,000円程度が相場です。

使用する畳表の素材によっても価格が変動し、国産い草を使用した場合は費用がやや高くなります。施工費には運搬や寸法調整、古畳の処分費用が含まれることが一般的です。

張り替えは1日から2日で完了することが多く、生活への影響が少ない点もメリットです。

畳の張り替えによって和室の空気が一新され、清潔で心地よい空間を維持できます。

マンションの間取りの変更

マンションの間取りの変更でも費用が異なってきます。

• 間仕切り壁の撤去や追加
• キッチンの移設
• 部屋を２つにつなげる

間仕切り壁の撤去や追加

マンションの内装リフォームで間取り変更を検討する際、間仕切り壁の撤去や追加は柔軟な空間づくりに有効です。壁を取り払うことで開放感のある広いリビングを実現でき、逆に壁を追加することでワークスペースや収納を確保できます。

費用は撤去の場合で1箇所あたり5万円から15万円程度、追加の場合は10万円から25万円程度が相場です。費用は壁の材質や構造、電気配線や給排水設備の有無によっても変動します。

間仕切り壁の施工には下地作成やクロス仕上げが含まれ、作業期間は1日から数日程度です。マンションでは管理規約により工事の制限がある場合もあるため、事前の確認が重要です。

生活スタイルに合わせて空間を最適化できる間取り変更は、暮らしやすさを高めるリフォームとして多くの家庭に選ばれています。将来的な使い方も見据えた計画を立てることが大切です。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

マンションには「撤去していい壁」と「構造上さわれない壁」があります。図面などを業者さんと共有し、まずはそこから確認しましょう。また、壁を撤去すると、壁があった場所（天井や床、壁の設置場所）などを綺麗に繋げる作業も必要です。上手に撤去位置を考えないと、工事範囲が広くなるので注意しましょうね。

キッチンの移設

キッチンの移設は生活動線の改善や空間の有効活用に大きく貢献します。ダイニングとの一体感を持たせたり、独立型から対面型へ変更することで、家族とのコミュニケーションが取りやすい環境を整えることが可能です。

ただし、キッチンの移設には給排水管や電気、ガスの配線工事が伴い、比較的大掛かりな工事となります。費用は内容により異なりますが、50万円から150万円程度が相場です。

排水経路の変更が必要な場合や、マンションの構造によっては追加費用が発生することもあります。施工には数日から1週間程度を要し、管理規約に基づいた工事申請も必要です。

キッチンの位置を変えることで空間全体の印象が一新され、暮らしやすさを高めるリフォームとなるため、将来の使い勝手も見据えた慎重な計画が求められます。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

水回りの変更はかなり難易度が高いのがマンションリフォームの特徴です。原則的に、水道や排水の位置は大きく変えることが難しいと思っておきましょう。業者さんにできると言われても、管理規定の確認などはトラブルを避けるためにきちんとしておきましょうね。

部屋を2つにつなげる

マンションの間取り変更では、隣接する部屋を1つにつなげる工事が人気を集めています。壁を撤去して広々とした空間を作ることで、開放感が生まれ、家族の集まりや在宅ワークにも適した環境を整えられます。

リビングと和室を一体化したり、洋室同士をつなげたりすることで、ライフスタイルに合わせた柔軟な使い方が可能です。費用は壁の構造や仕上げ方法によって異なりますが、一般的には10万円から30万円程度が相場です。

壁内部に電気配線や柱が含まれている場合は、追加工事費が発生することもあります。クロスや床材の補修も必要となるため、トータルコストは施工範囲によって変動します。

施工期間は1日から3日程度で、マンションの管理規約に基づいた申請手続きが必要です。空間を広げることで快適性が向上し、暮らしの質を高める間取り変更として、多くの家庭で採用されています。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

生活しながら、同時にリフォームするのは住む側も工事する側も大きな制約が生まれるので想像以上に大変になります。大きな工事の場合にはスケジュールに余裕を持つことでお互いにストレスがなくなります。心の余裕と費用の余裕はリフォームで後悔しないコツです。

マンションリフォームで後悔しない費用のポイント

マンションリフォームで後悔しないために、次のようなポイントに気を付けましょう。

• 追加工事費の想定と事前確認
• 管理規約による制限の把握

マンションリフォームを検討するときは、目的を明確にすることが重要です。

追加工事費の想定と事前確認

マンションリフォームで後悔を避けるためには、追加工事費の発生を事前に想定し、契約前に細かな内容まで確認することが重要です。工事が始まってから配管や下地の劣化が見つかると、予定外の費用がかかる可能性があります。

こうしたリスクを避けるためには、見積もりの段階で現地調査を丁寧に行い、施工範囲や材料、仕様を明確にしておくことが必要です。設計変更や仕様変更が発生しやすい箇所についても事前に説明を受け、納得した上で契約することが安心につながります。

また、見積書の中に「一式」と記載された項目が多い場合は、詳細を確認しておくことが大切です。リフォーム後に追加費用の請求を受けて後悔しないためには、複数社の見積もりを比較し、工事内容と費用のバランスを見極めることがポイントです。

事前準備を丁寧に行うことで、無駄な出費を抑え、満足度の高いリフォームを実現できます。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

できるだけ、一社でなく複数者に見積を作ってもらいましょう。その時に重要なのは「見積を下げるための見積」にならないことです。他の業者さんの見積を私ながら、これより安くして！などはリスクが多い発注方法です。必ず適正相場があり、無理な値引きの要請は大きく仕上がりや満足度に影響します。

管理規約による制限の把握

マンションリフォームで後悔しないためには、管理規約による制限を事前に把握しておくことが不可欠です。マンションでは共用部分や構造部分に関する工事に制限があり、キッチンや水回りの移動、防音性能の規定、工事時間の制約などが定められている場合があります。

これらの規約を確認せずにリフォームを進めると、工事の中止や設計変更が発生し、追加費用や手戻りが発生する原因です。特に間取りの変更やフローリングの張り替えなど、管理組合の承認が必要なケースも多く、申請手続きに時間がかかることがあります。

事前に管理会社や管理組合に相談し、リフォーム可能な範囲や申請方法、承認までの期間を確認することが大切です。管理規約に沿った計画を立てることで、トラブルを回避し、スムーズな施工と費用管理を実現できます。

長期的な満足度を高めるためにも、制度の確認を怠らないことが重要です。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

住んでいるマンションであれば、規約の確認はもちろんですが、特に中古で買う場合にはより厳重にチェックが必要です。相場よりも安いマンション価格の場合には、思わぬ罠（管理費滞納世帯が多いとか、規約でリフォームし辛いなど）がある可能性があります。

マンションリフォームの選び方や種類別のメリット・デメリット

ここでは、マンションリフォームの選び方や種類別のメリットやデメリットを紹介していきます。

マンションリフォームの選び方

マンションリフォームを成功させるためには、目的や予算、将来の暮らし方を踏まえた選び方が重要です。家族構成やライフスタイルに応じて必要なリフォーム内容が異なるため、まずは希望を明確にすることが大切です。

例えば、子育て世帯であれば安全性と収納力を重視し、高齢者のいる家庭ではバリアフリー設計が求められます。また、内装だけでなく断熱性や防音性といった機能面も考慮することで、快適な住環境を実現できます。

リフォーム業者を選ぶ際は、実績や口コミを確認し、複数社から見積もりを取って比較検討することが効果的です。デザイン性だけでなく、施工後のメンテナンス体制や保証内容にも注目することが安心につながります。

長期的に満足のいく住まいづくりを進めるためには、丁寧な計画と信頼できるパートナー選びが欠かせません。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

自分好みにできるリフォームですが、あまりにマニアックな間取りにするとリセールバリュー、中古で売る時の価格が低くなってしまうことがあります。こだわりの我が家だからと、自分の趣味だけに走り過ぎないような注意も必要ですね。

マンションリフォームの種類別のメリット・デメリット

マンションは以下の内装リフォームに分かれます。

• 壁紙の張り替え
• 内窓の増設
• コンセントの増設や移設
• フローリングの張り替え
• 畳の張り替え

各内装リフォームのメリットやデメリットについて把握しておきましょう。

壁紙の張り替え

マンションリフォームの中でも壁紙の張り替えは、室内の印象を手軽に変えられる点が大きなメリットです。色や柄、素材を変えることで空間の雰囲気を一新でき、汚れや傷が目立ってきた壁を美しく整えることができます。

抗菌や消臭、防カビなど機能性を備えた壁紙を選べば、快適性も向上しますが、壁紙の張り替えには下地の状態によって追加費用が発生する可能性があり、施工範囲が広いほどコストもかかります。

また、デザインを重視しすぎて空間とのバランスが取れなくなるケースもあるため、全体の統一感を意識することが大切です。壁紙の選定には質感や耐久性も関わるため、長期的な使用を見据えた選び方が求められます。

壁紙の張り替えは費用対効果の高いリフォームのひとつであり、目的に応じた素材とデザインを選ぶことで、満足度の高い空間を実現できます。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

壁紙、壁材は著しい進化をとげている建築材料です。小さなサンプルで見るだけよりは、可能ならショールームなどに足を運び、建材屋さんの意見などを聞くのがわかりやすいですよ。小さなサンプルと大きな壁面では大きく印象が異なります。

内窓の増設

内窓の増設は、断熱性や防音性の向上に効果があり、快適な住環境を実現できる点が大きなメリットです。外気の影響を抑えることで冷暖房効率が高まり、光熱費の削減にもつながります。

また、騒音の軽減にも優れているため、静かな空間を求める方に適した工事です。既存の窓枠に追加で設置するため、大規模な工事を伴わず、施工時間も短い傾向にあります。

一方で、サッシの種類や窓の大きさによって費用が高額になることがデメリットです。マンションの規約によっては設置できる範囲が限られる場合もあり、事前の確認が必要になります。

また、二重窓にすることで開閉の手間が増える点も使用上の注意点です。性能と利便性のバランスを考えたうえで製品を選び、住まいの特徴に合わせた設計を行うことで、内窓の増設による快適性を長期的に維持できます。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

タイミングにより国や自治体の補助金が使えるケースがあります。こちらをきちんと確認すると、満足度が高く、良い窓がより安価に設置できます。

コンセントの増設や移設

マンションリフォームでコンセントの増設や移設を行うことは、電化製品の使い勝手を向上させ、生活動線を最適化できる点が大きなメリットです。ライフスタイルに合わせて適切な場所にコンセントを配置することで、延長コードの使用を減らし、見た目や安全性の改善にもつながります。

また、リモートワークや家電の増加に対応するためにも重要なリフォームです。一方で、壁や床内部の配線工事が必要となるため、建物の構造や既存の電気配線によっては工事が複雑になることがあります。

特にマンションでは、共有部に影響を与える作業が制限される場合があり、管理規約の確認が欠かせません。また、コンセントの位置変更に伴い、内装の補修が必要になることもあります。

計画的に施工範囲を決め、信頼できる業者に依頼することで、快適で機能的な空間づくりが可能となります。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

昔のマンションはコンセントが少ないですよね。しかし、案外お金がかかるのがこのコンセント、わずかな位置の違いでも大きな費用の変化がある場合があるので、業者さんに「どこの設置がお勧めか」きちんと提案してもらいましょう。

フローリングの張り替え

フローリングの張り替えを行うことは、室内の印象を大きく変え、快適性を高める点が大きなメリットです。素材によって見た目や足触り、遮音性が異なり、無垢材であれば自然の風合いと経年変化を楽しむことができます。

合板タイプはコストを抑えつつも種類が豊富で、機能性も高いため選びやすい傾向があります。一方で、施工には既存の床材の撤去や下地処理が必要になり、工事期間が数日かかることがデメリットです。

また、マンションでは階下への音の配慮が求められるため、防音性能を満たすフローリング材を選定する必要があります。管理規約によって使用できる素材に制限がある場合もあるため、事前の確認が不可欠です。

素材の特性とメンテナンス性を考慮しながら選ぶことで、長く快適に使える住空間を実現できます。

畳の張り替え

和室の快適性と美観を保つうえで畳の張り替えを行うことは、有効な手段です。新しい畳にすることで自然素材ならではの香りや柔らかな踏み心地を得られ、リラックスできる空間を演出できます。

い草を使用した畳は湿度調整や断熱性にも優れており、季節を問わず快適に過ごせる点が大きなメリットです。一方で、畳は経年劣化による色あせや凹みが起こりやすく、定期的な張り替えが必要となることがデメリットです。

また、飲み物やペットによる汚れに弱く、耐久性やメンテナンス性を重視する場合には樹脂製や和紙製の畳を選ぶことも選択肢となります。費用は素材や施工方法によって異なり、国産い草を使う場合は価格が高くなる傾向があります。

素材の特性とライフスタイルに合わせて畳を選ぶことで、和室を長く快適に使い続けることが可能です。

マンションリフォームの施工までの主な日数と流れ

次に、マンションリフォームの施工までの流れと日数について詳しく解説します。

マンションリフォームの施工までの主な日数

マンションリフォームの施工日数は、工事内容や規模によって大きく異なります。壁紙の張り替えやコンセントの増設などの小規模工事であれば、1日から3日ほどで完了することが一般的です。

一方、キッチンの移設や間取り変更を伴う工事では、1週間から2週間程度かかることがあります。配管工事や床材の張り替えが必要な場合は、さらに日数が延びる可能性もあります。

スムーズな施工を行うためには、事前に詳細な打ち合わせを行い、必要な工程や資材の手配を確実に行うことが重要です。また、マンションの管理規約により工事時間が制限される場合があるため、スケジュールには十分な余裕を持つことが大切です。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

最近は大工さん不足も大きな建築業界の問題です。自分の好きなタイミングで必ず工事ができるわけではないので、後悔、失敗をしないように余裕をもった工程になるように注意しましょう。

マンションリフォームの施工までの流れ

マンションリフォームをスムーズに進めるためには、施工までの流れを把握し、計画的に進めることが重要です。まずは現地調査を行い、間取りや設備の状態を確認しながらリフォームの要望を整理します。

次に、見積もりの提示とプランの提案を受け、予算や工事内容をすり合わせて契約を締結します。契約後はマンションの管理組合へ工事申請を行い、承認を得た上で資材の手配やスケジュール調整を行います。

その後、工程表に基づいて施工が始まり、完了後に施主立ち会いのもと仕上がりを確認し、引き渡しとなります。信頼できる業者と綿密な打ち合わせを行うことが、満足度の高い仕上がりを実現する鍵です。

監修者：木瀬 裕介二級建築士

マンションの規約によって、養生（壁などをカバーする）場所が全然違います。エレベーターやエントランス、どこまで必要になるかで料金なども異なります。見積時にはそんなところまで確認しましょう複数社で見積を取る場合にはどこまで見積の中に入っているかの確認も重要なポイントです。

まとめ

マンションリフォームの費用相場は、工事の種類や規模によって大きく異なります。壁紙の張り替えやコンセントの増設などの小規模な工事は比較的安価で済みますが、キッチンの移設や間取り変更といった大規模なリフォームは費用が高額になる傾向があります。

満足のいく仕上がりを実現するには、予算だけでなくライフスタイルや将来の使い方も見据えたプランニングが欠かせません。また、管理規約の確認や事前の打ち合わせを丁寧に行うことで、追加費用や工事中のトラブルを防ぐことができます。

信頼できる業者を選び、施工の流れや工期も踏まえながら計画的に進めることが成功のポイントです。理想の住まいを実現するためには、費用と品質のバランスを意識しながらリフォームを進めることが大切です。