自宅の1部屋を防音室にリフォーム|費用・期間・事例まとめ
最終更新日:2025年12月10日

「自宅で思う存分楽器を演奏したい」「映画や音楽を大音量で鑑賞したい」と思っている方は多いのではないでしょうか。現在ホームシアター・テレワーク・ピアノやドラムなどの楽器演奏、動画収録など生活スタイルの多様化とともに、防音のニーズは高まっています。
この記事では「防音室って本当に必要?」「どれくらい費用がかかるの?」「工事期間は長いの?」といった疑問に丁寧にお答えします。自宅の1部屋を防音室にリフォームする際の費用相場や施工期間、工事の流れ、実際の活用事例まで詳しく紹介しましょう。
防音リフォームを検討している方にとって、役立つ情報が満載ですから、ぜひ参考にしてください。
リフォームなら
なんでも
ご相談ください
- 優良なリフォーム会社を知りたい
- とにかく安くリフォームをしたい
- 価格相場がわからない
- 訪問営業で契約してしまった
- 見積りが適正価格か知りたい
- リフォームすべきかわからない
- 水回りが古くなってきた
- まずは相談だけしたい
- ちょっとした修繕だけ頼みたい
- ハウスメーカーが高すぎた
- もっと生活を快適にしたい
- 補助金を使ってリフォームしたい
防音室で必要となるのは壁・床・窓・ドアなどの工事

自宅の一室を防音室にリフォームする際、単に壁を厚くすればいいというわけではありません。音は空気だけでなく、建物の構造を通じても伝わるため、壁・床・天井・窓・ドアといったあらゆる箇所に対策が必要です。
それぞれの素材や施工方法によって防音性能に大きな差が生まれるため、パートごとに適切な対応が取られます。ここでは、それぞれの部分でどのような工事が行われるのかを説明します。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 現在の建築基準法では換気のために「アンダーカット」というドアの下に隙間を開けた仕様が標準になっています。何もしないと防音がほぼされていない問題があります。
床からの音漏れ対策|振動音を防ぐための工夫

防音対策というと壁や天井をイメージしがちですが、床もまた重要なポイントです。
特にマンションや2階以上の部屋では、下の階への音漏れがトラブルの原因になりやすいため、しっかりとした対策が必要です。床から伝わる音には、足音や家具の移動音などの「固体伝播音」が含まれます。
これらは空気中に伝わる音と違い、床材や建物の構造体を通じて伝わるため、遮音材だけでは対応しきれません。対策としては、防振ゴムや浮き床構造の導入が効果的です。
床の下に防振材を敷き詰め、その上にもう一層床材を設置することで、振動が直接建物に伝わるのを軽減できます。またカーペットや吸音マットを併用することで、空気伝播音の低減にもつながります。
防音室を設ける際は、上からの音だけでなく下への影響も視野に入れ、床構造の見直しを行うことが重要です。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 最近のマンションでは、騒音を避けるために、カーペットになっている物件も多いようです。構造を大きく変えられない場合にはカーペットや、カーペットの下にひく吸音材などでも対応できる場合があります。
窓・ドアの処理|開口部からの音漏れを防ぐ工夫

どれだけ壁や床を強化しても、窓やドアといった開口部にすき間があると、音漏れは生じます。音はすき間を見つけて逃げていく性質があるので、開閉部分の処理は非常に重要です。
防音性能の高い複層ガラスや内窓(二重サッシ)は効果的でしょう。空気層を挟むことで音のエネルギーを減衰させ、屋外への音漏れや外部からの騒音侵入を抑える効果があります。
ドアは防音用の気密ドアや防音パネルを使用するのが一般的です。さらにドア周囲のすき間を塞ぐパッキンや気密材をしっかり取り付けることで、防音効果が一層向上します。小さなすき間の存在が全体の効果を大きく左右するため、決して見落としてはなりません。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 後述しますが、部屋全体のリフォームが高額になる場合には、部屋の中に防音室、ブースを設置するという選択肢もあります。まずは工務店さんに相談をしてみましょう。
\ 施工会社を探したい!/
「防音」「遮音」「吸音」など防音性をあらわす言葉の違い
防音工事を検討している方の多くが、「防音」「遮音」「吸音」など似たような言葉の違いに戸惑いを感じるのではないでしょうか。一見同じように見えるこれらの用語ですが、実際には役割や意味がそれぞれ異なります。
さらに「防振」「制振」といった振動に関わる用語も加わると、混乱が生じます。ここではそれぞれの言葉が具体的にどのような意味を持ち、防音リフォームにどのように関係しているのかを説明します。
そもそも「防音」とは

「防音」とは、外からの音の侵入や、内側からの音漏れを総合的に防ぐための対策全般を指します。遮音・吸音・防振などのすべてを含んだ、広義の意味での表現です。
日常生活でよく使われる「防音室」や「防音工事」という言葉は、特定の工法を指しているわけではありません。実際には音の種類に応じて、複数の手法を組み合わせることが必要です。
たとえばピアノの練習室を作る場合には、外に音を出さない「遮音」と、室内の響きを整える「吸音」、さらに建物の構造そのものに振動が伝わるのを防ぐためには「防振」の処理も重要です。このように「防音」という言葉は便利な言葉ですが、遮音・吸音・防振それぞれの効果を知っておくと、業者との打ち合わせがスムーズに進みます。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 音の最大の問題は、個人によって感じ方が違うという問題です。どの程度音が下がって聞超えるかなどを十分に確認しておきましょう。防音に関してはハイスペックで失敗したと言うケースは少ないので、余裕を持った計画をしましょう。
「遮音」とは

「遮音」とは、音が壁や天井を通り抜けるのを防ぐことに特化した処理を指します。音は空気や建物の構造を伝わって拡がります。そのため遮音性を高めるには、質量のある材料を用いて音の通り道を遮断することが必要です。
よく使われるのは石膏ボード・鉛シート・遮音パネルなどで、これらを何層にも重ねることで効果が増します。ただし遮音材を使っても、隙間があれば音漏れは起きるので注意しなければなりません。
ドアやコンセントまわりなど、細かい部分の処理が全体の性能に大きく関わります。遮音性能は「○○デシベル減衰」といった数値で表され、楽器用、防音ブース、テレワーク用途など、目的に応じて適切な遮音レベルを設定することが、満足のいく空間づくりの第一歩になります。
「吸音」とは

「吸音」とは、室内に発生した音の反射やこもりを抑えるための処理です。たとえば硬い壁ばかりの部屋では、音が反響して耳障りな残響音が生まれます。
このような現象を抑えるために、グラスウールやロックウール、ウレタンフォームなどの吸音材が効果的です。これらの素材は音のエネルギーを内部で分散させて反射を抑えます。
吸音は遮音とは異なり、音を遮断するわけではありません。そのため「外への音漏れ」対策としては不十分ですが、室内音の響きを調整するうえでは重要です。楽器演奏や録音作業を行う部屋では、適度な吸音を取り入れることで音の明瞭さや聞きやすさが向上します。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 楽器の種類によっては完全な防音が難しいケースもあります。音だけではなく、振動の問題なども考慮しましょう。楽器にわせた特性をもつブース作成なども可能ですので、まずは施工店さんと十分に目的を話し、相談しましょう。
「防振」とは

「防振」とは、音のもととなる振動が建物構造に伝わるのを防ぐ処理のことです。振動は固体を通して伝わる性質があるため、空気中の音よりも扱いが難しいとされています。
ピアノ・ドラム・スピーカーなどが発する低音は、床や壁を通じて隣の部屋にまで届き、通常の遮音対策だけでは完全に防げません。このような「構造伝播音」には、防振ゴム・防振吊り天井・浮き床構造などの技術が効果的です。
床の下にクッション材を敷き、天井には専用の吊り金具を使うことで、振動を構造に直接伝えないよう工夫します。特に集合住宅では、防振の有無が騒音トラブルを防ぐカギとなります。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 防音工事は比較的大工事になりやすい施工の一つです。大きな工事をする前に、色々な工夫をしてみて、まずは騒音の問題がどれくらい軽減されるかなどを確認しましょう。
「制振」とは

「制振」とは、振動自体を抑制し、拡がりを最小限にとどめるための技術です。防振と似た意味に見えますが、目的や方法には明確な違いがあります。
防振が「振動を伝えないこと」に重点を置くのに対して、制振は「発生した振動の揺れ幅を減らすこと」が主な目的です。制振素材には特殊な樹脂や粘弾性素材などが用いられることが多く、建材の間に挟むことで効果を発揮します。
制振は、日常生活で感じる不快なドアの開閉音や足音などの微細な振動にも効果的です。
\ 施工会社を探したい!/
防音室工事のポイント=「遮音・吸音・残響」などの対策
防音室をつくるうえで重要なのは、単に音漏れをなくすことだけではありません。外部への音漏れを防ぐ「遮音」、内部の音響環境を整える「吸音」、さらには室内の響きをコントロールする「残響」など、複数の視点から空間を設計する必要があります。
ここでは防音室に必要な各性能の基準値や評価方法、設計時に気をつけるポイントについて説明します。
遮音性能を表す「D値 / Dr値」「L値」
遮音性能を数値化するために使われるのが、「D値」「Dr値」「L値」の3つです。これらはどの程度音を遮ることができるかを示す指標で、防音室づくりで最初にチェックすべき重要な要素です。
「D値」は、部屋同士の間でどのくらい音が減衰するかを表しており、数値が高いほど遮音性が高いことを意味します。たとえばD-50であれば、隣の部屋に届く音を50デシベル程度カットしているという意味です。「Dr値」はより実際の住環境に近い測定方法で、現場の遮音性能をリアルに評価できます。
一方「L値」は主に床を伝わる衝撃音に対する遮音性能を示す指標です。足音や物の落下音など、生活音による振動をどの程度抑えているかがこの数値でわかります。
L値は数値が小さいほど性能が高く、集合住宅などではL-45以下が一つの目安とされています。遮音性能は素材や構造によって大きく変わるため、数値に基づいた設計を行うことが重要です。
騒音を表す「N値 / NC値」
外部から侵入してくる騒音のレベルを測るうえで用いられるのが「N値」や「NC値」という指標です。これらは空間内の騒音の大きさや不快感を数値で把握するためのもので、防音設計のスタート地点ともいえる情報です。
「N値(ノイズ指数)」は、道路や鉄道などの屋外騒音が室内に入った際の音のレベルを数値化したもので、日本の建築分野でよく使用されています。一般住宅であれば、N値は40以下が快適な空間とされ、防音室の場合はそれ以下を目指すことが多いです。
この数値が高ければ、騒音対策が不十分である可能性が高いでしょう。一方「NC値(ノイズクリテリア)」は、主にオフィスやスタジオなどの室内空間における騒音環境の快適さを評価するために使われる指標です。
エアコンの音や設備機器の運転音など、持続的に発生する低レベルの音に着目しています。NC値が低いほど、静かで落ち着いた環境とされ、演奏や録音に適した空間の設計ではNC-25以下が望ましいとされます。騒音に対する正しい評価と数値化は、防音室の性能を具体的に把握する上で欠かせません。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 数値だけでは理解が困難な場合もあります。施工店によっては防音ルームや実験装置で確認できるケースもありますので、可能であれば数値比較ではなく、体感してみましょう。
楽器演奏・音楽鑑賞用なら考慮すべき「残響」
防音室の設計で見落とされがちなポイントが「残響」の調整です。残響とは音が反射しながら徐々に消えていくまでの時間のことで、演奏や録音の仕上がりに大きな影響を与えます。
残響時間が長すぎると、音が混ざり合って輪郭がぼやけてしまい、演奏の細かなニュアンスが聞き取りづらくなります。逆に短すぎると、音に広がりがなくなり、圧迫感や閉塞感のある音場になりがちです。
そのため目的に応じて適切な残響時間を設計段階から考えることが必要です。通常ピアノ演奏用の防音室であれば、0.3〜0.6秒程度の残響時間が理想とされます。
一方で声楽やクラシック音楽の鑑賞用であれば、もう少し長めの設定が心地よく感じられます。この調整には吸音材の配置・壁材の種類・天井の形状などの工夫が必要です。部屋の広さや天井の高さによっても残響特性は大きく変わるため、単に防音性能だけでなく、音響バランス全体を考慮した設計が重要です。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 特定の楽器については楽器屋さんで防音ブースを確認できるケースもあります。イメージを明確にしておくと、仕上がり後の不満が大きく削減できます。
\ 施工会社を探したい!/
防音室リフォームの費用相場
防音室のリフォーム費用は、施工範囲や性能のグレードによって大きく異なります。同じ6畳程度のスペースであっても、簡易的な吸音施工をするのか、本格的な音楽スタジオ並みに仕上げるのかで、予算は何倍も変わるのです。
また設置する場所が木造住宅か鉄筋コンクリート造かによっても、必要な対策が異なります。ここでは防音工事の基本的な価格帯を整理し、その内訳やグレード別の特徴を説明します。
さらにDIYによる費用の節約がどの程度可能か、プロ施工とどのような違いがあるかにも触れましょう。
どこまでやるかで大きく変わる?防音リフォームの基本価格帯

| 施工タイプ | 想定される内容・特徴 | 主な施工範囲 | 費用の目安 (6畳あたり) |
|---|---|---|---|
| 簡易施工 | ・吸音材や遮音シートの部分貼り付けによる対策 ・音漏れ軽減が目的 |
壁のみ、または壁+床・窓の簡易対策 | 約20万〜40万円 |
| セミオーダー型施工 | ・素材や施工内容を相談しながら調整 ・日常利用や軽音楽向けに必要十分な性能を確保 |
壁・床・天井・ドアなど、必要箇所を選択 | 約100万〜250万円 |
| 本格施工 | ・音楽演奏・録音・配信向け ・高遮音性能を求める完全防音に近い施工 |
壁・床・天井・窓・ドアすべてを施工 | 約300万〜500万円以上 |
| 特殊・大規模施工 | ・地下室の新設や全面改修を伴う大規模工事 ・高度な音響設計を含むケース |
地下空間全体、防音+音響設計 | 約800万〜1000万円前後 |
防音室のリフォームは、「どこまでの性能を求めるか」によって価格帯が大きく変わります。たとえば簡易的に吸音材や遮音シートを貼るだけの施工であれば、6畳1部屋で約20万〜40万円が相場です。
簡易施工と本格施工の中間にあたる「セミオーダー型」の防音リフォームは、使う素材や防音グレードを相談しながら調整できるため、約100万〜250万円が目安です。一方本格的な音楽演奏や録音に対応できる防音室をつくる場合には、同じ広さでも300万〜500万円以上かかります。
費用に大きく関係するのは、施工する範囲と目的です。たとえば壁だけに吸音対策をするのか、床・天井・窓・ドアなども含めて「完全防音」に近い形で施工するのかで必要な工数が変わります。さらに地下室の新設などの大規模工事では、1000万円近い予算が必要になることもあります。コストと使用目的のバランスを見極めることが大切です。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- どこまで費用をかけても、完璧な無音になることは難しいのが防音リフォームの難しいところです。まずは、どんな目的で、どんな音を減らしたいのかを設計時に確認しましょう。
リフォームに含まれる主な費用項目とその内訳
防音室のリフォーム費用は、「材料費」「施工費」「設計費」「諸経費」など4つの要素で構成され、総額を見るだけでは内容が把握しづらいです。どこにどれだけの費用がかかっているのかを知ることで、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
材料費の内訳は、防音パネル・遮音シート・吸音ウレタン・遮音ドア・防音ガラスなどです。高性能な素材ほど単価が上がるため、選定によって予算は大きく変わるでしょう。特に音漏れしやすい窓やドアまわりに手を加えると、費用がそのぶん上がります。
施工費は職人の工賃にあたる部分で、施工範囲や日数によって決まります。施工が複雑になるほど費用はかかりますが、熟練の施工技術が防音性能に直結するため、削るべき項目ではありません。
設計費用は、主に音響設計や防音計画のためにかかる費用で、スタジオレベルの設計になると専門家への依頼が必要です。また解体や搬入出にかかる諸経費、廃材処分費なども必要経費です。
遮音等級(例:D-40〜D-50)や目的(楽器演奏・テレワーク・カラオケ等)によって性能が異なるため、「どんな音をどこまで防ぎたいか」が予算配分の判断基準となります。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 2006年以前に建築された住宅では、アスベストの検査が必須となっています。アスベストが発見され、工事に影響すると費用が増加する場合もありますので、まずはきちんと施工店と話し合い、計画をしてみましょう。
自分でできる?DIYとプロ施工の費用比較と注意点

| 項目 | DIY施工 | プロ施工 |
|---|---|---|
| 費用の目安 | 約2万〜5万円(6畳程度の材料費) | 約30万円〜500万円以上(施工内容により変動) |
| 施工内容の自由度 | 自分の判断で設置可能。貼り直しや調整も自由。 | 専門家による設計と施工により計画的に進行。 |
| 対応できるレベル | 簡易的な吸音・遮音対策に限定される | 高性能な遮音・吸音。用途に合わせた音響設計も可能 |
| 主な材料 | 防音シート、吸音パネル、防音カーテンなど | 高密度遮音材、専用建材、音響パネル、調音装置など |
| メリット | 材料費が安く済む。自分のペースで施工可能。 | 遮音性・耐久性・仕上がりの精度が高い。 |
| デメリット・注意点 | 効果に限界あり。施工失敗や音漏れのリスクがある | 費用が高め。依頼先選びや施工期間の調整が必要 |
| 集合住宅での注意点 | 音や振動が近隣に伝わりやすく、施工音でトラブルも | 現地調査を含めた計画的施工で近隣配慮しやすい |
「できるだけコストを抑えたい」と考える方の中には、DIYによる防音施工も選択肢の一つでしょう。ホームセンターやネット通販では、防音シートや吸音材、遮音カーテンなどが手軽に入手でき、貼り付けも比較的簡単です。
ただしDIYで対応できるのはあくまで「簡易防音」に限られます。たとえば隣室に音が多少漏れても構わないのであれば、吸音パネルや防音マットの設置だけでも一定の効果は得られるでしょう。一方でプロによる施工では、音響設計から材料選定、施工の精度まで一貫して対応するため、効果は万全です。
費用は高くなりますが、遮音性能や耐久性はDIYとは比べものになりません。DIYを選ぶ場合は用途をしっかり絞り、費用対効果を見極めることが大切です。「想像以上に効果がなかった」「やり直しできず失敗した」といった声も多いため、リスクを理解したうえで取り組む必要があります。
特に集合住宅では施工音や共用部の制限なども影響するので、DIYでの防音対策は慎重に検討しましょう。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 材料だけでなく、施工精度により防音性は大きく異なります。防音するレベルに合わせてDIYにするか、プロに頼むかなどを検討しましょう。
\ 施工会社を探したい!/
防音室の種類と種類別参考価格
防音室と一口に言っても、使い方や目的によって求められる性能は異なります。たとえばクラシックピアノの練習とドラム演奏とでは、必要な遮音レベルの差は大きいです。
ここ数年、楽器以外にもテレワークやYouTube配信といった用途での需要も高まり、それぞれに最適な仕様を選ぶ必要があります。ここではまず用途別にどのような防音室があるのかを具体的に見ていきます。
防音方法の種類や工法のポイント、代表的な防音建材と費用感についても紹介しましょう。
用途別に見る防音室のタイプ(音楽・テレワーク・配信)

| 用途 | 主な目的 | 遮音性能の目安(D値) | 吸音・反響対策の必要度 | 特徴・ポイント | 費用の目安(参考) |
|---|---|---|---|---|---|
| ピアノ演奏 | 安定した音の遮音 | D-50前後 | 中程度 | 定常的な中音域の遮音が中心。壁面や床の強化を重視。 | 約80万〜150万円 |
| ドラム演奏 | 大音量かつ衝撃音の遮断 | D-70前後 | 高い | 床の防振・壁の多層構造が必須。天井・ドアの遮音性能も重要。 | 約150万〜300万円以上 |
| ギター/サックス | 部分的な遮音補強 | D-45〜D-60 | 中程度 | 演奏音域に応じた吸音材の配置が効果的。施工範囲は比較的小規模。 | 約50万〜120万円 |
| 配信・録音 | 反響の少ないクリアな音質 | D-40〜D-50 | 非常に高い | 吸音・拡散パネルを用いた設計が中心。マイクや照明との位置関係も考慮。 | 約80万〜200万円 |
| テレワーク | 周囲の生活音の軽減 | D-35〜D-45 | 低〜中程度 | 吸音フォーム・遮音カーテン・ドア下の気密補強など部分施工が中心。 | 約30万〜80万円 |
防音室のタイプは、用途ごとに最適な構造や仕様が異なります。楽器演奏向けでは、ピアノやバイオリンのような音量の安定した楽器と、ドラムのように衝撃音を伴う楽器では求められる防音性能が全く異なります。
ピアノの場合はD-50程度の遮音性能を確保できれば十分ですが、ドラムの演奏にはD-70前後の高い遮音等級が必要です。ギターやサックスといった中音域中心の楽器では、壁面やドア部分の遮音補強を行うことで比較的少ない施工範囲でも効果が得られます。
一方で録音や配信用途では遮音よりも「反響音を抑える」ことが重視されるため、吸音材の配置や部屋の形状にも配慮することが必要です。テレワーク用では完全な密閉性よりも、周囲の生活音を軽減するための簡易防音が選ばれ、費用は約30万〜80万円の相場です。
YouTubeやナレーション録音向けの防音室では、遮音と吸音のバランスをとりながら、録音機材の配置や照明環境も含めて計画されるケースが増えています。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 楽器の種類により、大きく防音の種類や工事の内容が変わることもあります。また、テレワークは工事だけでなく、機器(マイクやヘッドフォン、場合によってはキーボードの打音)の性能を合わせるによって解決できる場合もあります。
施工パターン
| 施工パターン | 内容 | 工期・費用目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| フルリフォーム型 | 壁・床・天井すべてを施工 | 6畳で150〜500万円程度 | 高性能の防音を求める場合に適している |
| 部分対策型 | 部分的に面だけを施工 | 50〜150万円程度 | 予算を抑えたい場合や必要な場所だけ施工したい場合に適す |
| ブース型(ユニット設置) | 既製のユニット防音室を設置 | 100〜300万円前後 | ・設置が簡単で工期が短い ・引っ越しや移設も比較的容易 |
施工パターンとしては、壁・床・天井をすべて施工する「フルリフォーム型」、一部の面だけを施工する「部分対策型」、既製のユニット防音室を設置する「ブース型」などがあります。それぞれのパターンで必要な工期や費用が変わるため、予算との兼ね合いで選ぶ必要があります。
フル施工で6畳の場合は150〜500万円程度、部分施工であれば50〜150万円程度、ブース型は100〜300万円前後が目安です。
代表的な防音建材とその費用
| 建材名 | 特徴・用途 | 価格目安 | 備考・ポイント |
|---|---|---|---|
| 遮音シート | 薄く柔軟で密度が高く、音の透過を防ぐ。壁や天井の下地材として使う。 | 1㎡あたり1,000〜2,000円 | 複層貼りで遮音性能アップが可能。 |
| 吸音材 | グラスウールやウレタン系吸音フォーム。音の反射や残響を抑える。 | 1㎡あたり500〜1,500円 | 施工面積により費用変動。室内の音質調整に役立つ。 |
| 遮音パネル | 遮音と吸音の複合素材。壁面仕上げとして使用可能。 | 1枚(約90×180cm)あたり10,000〜20,000円 | 内装の美観を保ちつつ施工簡素化。 |
| 防音ドア | 防音性能を高める専用ドア。 | 1枚あたり10〜30万円 | ドア周りの音漏れ対策に重要。 |
| 二重窓(防音サッシ) | 窓からの音漏れを防ぐ二重構造の窓。 | 1箇所あたり10〜25万円前後 | 窓周りの防音性能を大幅に向上させる。 |
防音リフォームでよく使われる建材には、遮音シート・吸音材・防振ゴム・防音パネルなどがあります。素材の選定次第で効果が大きく変わるため、それぞれの特徴と価格の目安を把握しておくことが大切です。
遮音シートは、薄くて柔軟な素材ですが、密度が高く音の透過を防ぐのに効果的です。1㎡あたり1,000〜2,000円程度で、壁や天井の下地材として使用されます。複層貼りにすることで遮音性能を高めることが可能です。
吸音材としてよく使われるのは、グラスウールやウレタン系の吸音フォームです。これらは音の反射を抑え、残響を軽減するのに効果的で、1㎡あたり500〜1,500円ほどが一般的です。
遮音パネルは、遮音と吸音の両方を兼ね備えた複合素材で、壁面の仕上げとしてそのまま使えます。価格はやや高く、1枚(約90×180cm)あたり10,000〜20,000円程度が目安です。防音室の内装を美しく保ちたい場合や、施工を簡素化したい場合に適しています。
ドアや窓まわりには専用の防音サッシや気密材が必要です。防音ドアは1枚10〜30万円、二重窓は1箇所につき10〜25万円前後かかります。これらの建材をどう組み合わせるかによって、最終的な費用と性能が決まります。
素材ごとの性能とコストのバランスを見極めて、最適な構成を選ぶことが成功のポイントです。
\ 施工会社を探したい!/
防音リフォームで後悔しない費用ポイント

防音リフォームを行う際、誰しも費用面で後悔したくないでしょう。ここでは費用に関する重要なポイントを3つ説明します。
事前に明確にしておくべき予算と使用目的
防音リフォームを検討するうえで、まず何のために防音をするのか、はっきりさせることが大切です。音の大きさや発生する時間帯、使う目的によって必要な防音性能は変わります。
たとえばピアノ演奏のためなら高い遮音性能が必要ですが、テレワーク用の静かな環境づくりなら吸音重視になります。予算もあらかじめ決めておくことで、無理のないプランが立てられるでしょう。目標と費用のバランス感覚を持てば、満足できる結果が得られます。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 防音の性能は際限がありません。もし騒音や近隣からのクレームで悩んでいる場合には、必要な性能ギリギリ出なく余裕を持ったハイスペックにすることをお勧めします。
「安く済ませたい」が失敗につながる理由
安さだけで決めると、結果的に追加工事が必要になる場合が多いです。安価な施工が原因で音漏れが改善されなかったり、近隣からの苦情が続いてしまう例もあります。
防音工事は専門的な技術と材料が必要なため、費用の違いには理由があります。信頼できる業者にしっかり相談し、品質と価格のバランスを考えることが重要です。
追加費用が発生しやすい場面とその防止策
防音リフォームの工事中に、建物の構造上の制約が見つかる場合があります。たとえば梁の位置や配線の状態によっては、計画通りの施工が難しくなるケースや換気設備の調整・照明の取り付け・コンセントの設置など追加費用が発生することもあります。
事前の現地調査の段階で細かく確認し、費用の見通しを立てることが、追加費用の防止のために重要です。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 築古の物件は、アスベストの混入や、構造上の欠陥が見つかる場合もありますので、余裕を持ってきちんと調査をしてから計画を始めましょう。
\ 施工会社を探したい!/
防音室の選び方や種類別メリット・デメリット

防音室を選ぶ際には、自分の目的や設置場所に合ったタイプを見極めることが大切です。主に「ユニット式」と「リフォーム型」の2種類がありますが、それぞれ特徴が異なり、向き不向きがあります。
ここでは種類ごとのメリット・デメリットを説明します。
ユニット式 と リフォーム型の違いと比較
| 項目 | ユニット式防音室 | リフォーム型防音室 |
|---|---|---|
| 設置方法 | 工場製のボックスを室内に設置 | 既存の部屋を防音仕様に改修 |
| 工期 | 数時間〜1日程度で設置可能 | 約1週間〜1カ月(施工内容により変動) |
| 遮音性能 | 中程度(完全な防音は難しい場合あり) | 高性能な遮音が可能 |
| カスタマイズ性 | サイズや仕様に制限あり | 用途や希望に合わせて細かく設計可能 |
| 費用の目安 | 約50万〜200万円程度 | 約100万〜500万円以上 |
| 対応できる物件 | 賃貸住宅でも設置可能(原状回復しやすい) | 主に戸建て・持ち家向き(構造への工事が必要) |
| メリット | 設置が簡単。引っ越し時に持ち運び可能な製品もある | 遮音性が高く、内装や空調なども一体的に計画できる |
| デメリット | サイズの制約、完全防音には限界あり | 工期と費用がかかり、設置後の変更は難しいことが多い |
ユニット式の防音室は、工場で製造されたボックス型を置くだけで設置できるタイプです。設置が簡単で工期も短く、賃貸住宅でも設置可能なことが多いです。ただしサイズや形状の自由度が限られ、音漏れを完璧に防ぐのは難しいかもしれません。
一方リフォーム型は既存の部屋を改修して防音室にする方法です。壁や床、天井を一から施工するため遮音性能が高く、目的に合わせて細かくカスタマイズできます。しかし工期が長くなり、費用もユニット式に比べて高くなります。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 大きなショールームがあれば、個別のブースの防音性を体感、確認することができます。音に関しては感覚的な差が大きいので、可能ならば確認をしてから進めると後悔が少なくなります。
建物の構造(木造・RC・マンション)による制限と対策
建物の構造は防音工事に大きく影響します。木造住宅は壁が薄いため遮音性能を上げるのに工夫が必要です。鉄筋コンクリート(RC)造は元々の遮音性が高いので、防音工事の効果が出やすいです。
マンションの場合、隣接する部屋との距離や壁の厚みが限られているため、できる防音とできない防音があります。たとえば床衝撃音は対策が難しいケースもあるため、管理規約を確認しながら対応策を考えることが重要です。
マンションの規約などを準備し、工事店さんと事前に確認をしましょう。床や耐力壁、天井部などの大規模な工事は共用部として条件がある場合がありますので計画が変更しないようにまずは、規約をチェックしましょう。
\ 施工会社を探したい!/
防音リフォームの施工までの主な日数と流れ
防音リフォームは、相談から工事完了までに複数の段階があります。計画段階での打ち合わせが非常に重要で、現地調査や設計プランの作成を経て施工へと進みます。
また音源の種類や使用目的に応じて騒音測定が必要になる場合もあるでしょう。ここでは具体的な準備段階から工事日数、施工中の注意点まで説明します。
着工までの準備と打ち合わせ内容
防音リフォームを検討する際には、まず専門業者へ相談し、防音したい音の種類や使用目的を詳しく伝えることが大切です。その後現地調査で、部屋の構造や隣接状況を確認します。
音源のチェックや騒音測定を行いながら設計プランを作成し、具体的な工事内容や使う素材を決めます。見積もりはこの段階で提示されるため、予算との調整も含めてしっかり話し合いましょう。疑問点は質問し、納得したうえで契約を結びます。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 後から不満が出ないように、具体的な工事と結果のイメージをきちんと工事店と確認してから進めましょう。
実際の工事にかかる日数と工程

工事の期間は部屋の大きさや防音の程度によって変わりますが、6畳間の場合約1〜2週間が目安です。まず壁や天井の施工から始め、次に床の防振対策を行います。
この間に電気配線の調整や空調設備の設置も必要になることが多いです。内装の仕上げも同時に進めるため、スムーズな連携が必要です。工期中はほこりや騒音が発生しやすいため、近隣への配慮を怠らないようにしましょう。予定通りに進めるためには、段取りを細かく確認しておくことが大切です。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 防音の工事は、根底から大改修が必要になることも多く、工事期間がかかりやすいことが問題になります。余裕を持った工事期間で計画をしましょう。
工事中に起こりやすいトラブルと回避法
防音工事では施工音や粉塵が周囲に迷惑をかけることが多いです。近隣からのクレームを防ぐため、事前に説明や挨拶を行いましょう。
また工事後に隙間や施工ミスで防音効果が十分に出ない場合、細部の確認不足や設計ミスが原因となることが多いです。施工中は業者と密に連絡を取り合い、疑問点はすぐに相談しましょう。
\ 施工会社を探したい!/
実例で見る防音リフォームのビフォーアフター
防音リフォームの仕上がりは、目的や予算、建物の構造によって大きく異なります。同じ防音工事でも、ピアノ教室として使う場合と、テレワーク用の書斎では求められる性能や施工方法が変わります。
ここでは3つの施工例をもとに、工事前後でどのように変わったかを具体的に紹介しましょう。使用した素材や工事期間、費用の目安もあわせて紹介します。
ピアノ教室を自宅に新設したケース

築20年の木造住宅にある6畳の和室を、ピアノ教室として防音空間へ改装した例です。リフォーム前は音が外に漏れやすく、特に夜間の練習には不向きな環境でした。
工事ではまず畳を撤去し、床には防振ゴムと二重構造の下地を施工しました。壁には遮音シートとグラスウールを併用し、天井にも吸音材を敷設しました。出入口には防音ドアを設置し、窓には二重サッシを採用し、費用は約250万円、施工期間は約3週間でした。
工事後は近隣への音漏れがほとんどなくなり、安心してレッスンが行えるようになりました。
リモートワーク・会議対策での簡易施工例

在宅勤務が増えたことをきっかけに、木造住宅の一室を静かな書斎に改装したケースです。対象となったのは4畳半の洋室で、元々は寝室として使われていたスペースでした。
予算を抑えるために、フルリフォームではなく部分的な対策に留めました。壁には吸音フォームを取り付け、窓には厚手の防音カーテンを設置し、床には簡易型の吸音マットを敷いて、足音の伝わりも軽減しました。
出入口にはドア下に隙間テープを施工し気密性を強化し、総費用は約30万円で、作業は2日間で完了しました。工事後は通話中の反響が軽減され、長時間のWeb会議でもストレスなく話しやすい空間に変わりました。
配信活動(動画・ナレーション)用のスタジオ化事例

動画配信やナレーション録音を行うため、自宅の一部をスタジオ仕様にした実例です。対象となったのは5畳の洋室で、これまでは物置として使われていました。
目的は配信に必要な静けさを確保すると同時に、映像面でも使いやすい空間にすることでした。工事では壁に遮音パネルと吸音ウレタンを併用し、反響を抑えた設計を採用し、天井には間接照明を埋め込み、録画時の映りにも配慮しました。
床はフローティング構造で防振効果を確保し、背景には撮影用のクロスを設置し見栄えも重視しました。工事費用は約180万円、施工期間は2週間で、完成後はノイズの混入が大幅に減り、視聴者からも音質がクリアになったと評価されたそうです。
\ 施工会社を探したい!/
防音リフォームに関するよくある質問と回答(FAQ)
「本当に音漏れは防げるのか」「賃貸住宅でも工事は可能なのか」など疑問や不安は尽きないでしょう。ここでは実際に相談の多い内容を取り上げて、それぞれの疑問に具体的な視点からお答えします。
音漏れゼロにできる?
結論から言えば、「完全に音漏れゼロ」は現実的に非常に難しいというのが実情です。たとえ高性能な防音素材を使っても、建物の構造や空気の通り道、ドアや窓の隙間などから、ある程度の音はどうしても伝わります。
特に低音は壁や床を通過しやすく、通常の防音対策では完全に遮るのが難しい音域です。そのため防音リフォームでは「ゼロを目指す」よりも「実用的な範囲で音を抑える」ことに重点を置いています。「隣家に迷惑をかけない」「早朝や深夜でも気兼ねなく生活できる」といった実生活の快適さを基準に工事の目標を設定しましょう。
期待値と現実のギャップが大きいと、施工後に「思ったほど静かにならない」と後悔する原因になります。適切な性能目安(dB)と、使用目的に合わせた仕様選びが重要です。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- 完全な防音室は、初期設計でも難しく、リフォームになると尚更難易度が上がる施工の一つです。何を目的に、どうしたいのかを事前に工務店さんときちんと話しましょう。
賃貸でも施工できる?
賃貸住宅での防音対策は、原則として「現状回復ができる範囲」で行うことが前提となります。壁を壊したり、床を大きく変更するような工事は難しいため、取り外しが可能な建材や簡易施工での対策が中心です。
具体的には「吸音パネルを壁に設置する」「厚手の防音カーテンを使う」「床に防音マットを敷く」といった方法が一般的です。これらの対策でも室内の反響を軽減し、外への音漏れを抑える効果が期待できます。
また大家さんの許可が得られれば、より本格的な施工も可能になるケースがあります。そのような場合でも事前に大家さんと図面や施工内容を共有し、口頭ではなく書面で承諾を得ることが重要です。退去時のトラブルを避けるためにも、工事前の確認を徹底しましょう。
断熱や湿度対策と併用できる?
防音リフォームを行う際、断熱性や湿度管理にも気を配ると、より快適な空間づくりができます。実際防音材には断熱性を兼ね備えた素材も多く、例えばグラスウールやロックウールなどは、音と熱の両方に対応しています。
壁や天井にこれらを施工することで、冬場の寒さや夏場の熱気の侵入を和らげる効果もあります。また防音施工では、密閉性が高く湿気がこもりやすいため注意が必要です。湿度の上昇はカビや結露の原因となるため、換気システムや除湿器の導入を合わせて検討することがおすすめです。
とくに長時間こもることの多い配信ルームや音楽スタジオでは、室温や湿度の管理が音響にも影響するため、断熱・換気との併用は必須でしょう。
監修者:
木瀬 祐介
二級建築士- ドアのアンダーカットをなくすことで、換気計画に問題が生じることもあります。工事開始前に、音以外の(構造、換気、採光などの)問題が発生しないか、確認しましょう。
\ 施工会社を探したい!/
まとめ|防音室のリフォームは目的・予算に合った計画が成功のカギ

防音リフォームの成功は、「音を止めること」だけではありません。「遮音」「吸音」「防振」「制振」といった要素が複雑に絡み合います。目的やライフスタイルに応じて、どこまでの性能を求めるのか、そのためにどれくらいの予算をかけるのかを明確にしておくことが必要です。
値段に惹かれて安価な対策を選ぶと、結局効果が得られず、後から追加工事が必要になります。施工前には専門業者による現地調査を受け、建物の状態や音源の特性を正確に把握することが重要です。そのうえで性能・仕上がり・使い勝手のバランスがとれた設計を一緒に考えてもらいましょう。
防音対策は見た目では効果が分かりづらいため、信頼できる業者とのコミュニケーションを丁寧に行うことが、満足度の高い結果につながります。長く快適に使える空間を目指して、予算とのバランスを考えて計画を立てることが最大のポイントです。
監修者:
EARTH CONTAINER 代表 木瀬 裕介
二級建築士
宅地建物取引士
家屋応急判定士- 大手住宅メーカーの研究所・企画・マーケティング部門を経て、建築士・宅建士として住まいに関する幅広いコンサルティングを行う。全国で住宅研修やセミナーの講師としても活動。タイルや太陽光などに関する多くの建築系特許を取得。現在はアースコンテナ合同会社代表として、住宅・別荘の設計やアドバイスを行い、文章投稿プラットフォーム「note」でもコラムを多数発信中。
note
関連タグ:
リフォームなら
なんでも
ご相談ください
- 優良なリフォーム会社を知りたい
- とにかく安くリフォームをしたい
- 価格相場がわからない
- 訪問営業で契約してしまった
- 見積りが適正価格か知りたい
- リフォームすべきかわからない
- 水回りが古くなってきた
- まずは相談だけしたい
- ちょっとした修繕だけ頼みたい
- ハウスメーカーが高すぎた
- もっと生活を快適にしたい
- 補助金を使ってリフォームしたい





