洗面台リフォームの費用相場
洗面台リフォームにかかる費用は、安い場合は10万円未満、高額の場合は50万円以上かかりますが、30万円前後が平均的な費用といわれています。
洗面台は台のサイズ・機能性によって費用が変化する仕組みです。また洗面台だけでなくそれが設置されている洗面所もリフォームの対象とした場合、さらに費用が変化します。
洗面台リフォームの種類については、次の段落で詳しく解説します。
監修者:
一級建築士
林 由紀子
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洗面台は毎日何度も使う場所だからこそ、見た目や価格だけでなく「使いやすさ」にも目を向けたいですね。まずは使う人の身長に合った高さ設定(80-85cmが標準)や、朝の混雑時でもスムーズに使える幅の確保が重要になります。さらに、ご家族の人数や暮らし方に合わせて、必要な収納や作業スペースをしっかり考えておくと、リフォーム後の満足感がぐんと高まります。将来の変化も見据えた選択が、長く心地よく使える秘訣です。
洗面台リフォームの種類と種類別参考価格
洗面台リフォームの種類は大きく分けると、洗面台のみのリフォーム・洗面台を配置している空間である洗面所全体のリフォームの2種類です。その2種類にもそれぞれさまざまなタイプがあり、それによって費用が変動します。
次より、洗面台リフォームの種類、種類別の参考価格について説明します。
60〜75cmサイズ
最も安いタイプが間口60〜75cmの洗面台リフォームです。このサイズであれば20万円未満で出費を抑えられます。洗面台のスペックと費用は以下の通りです。
- 仕様
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- 陶器製、または人工大理石製洗面ボウル
- 一面鏡
- 開き扉収納
- 総費用の相場
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水栓は、水・お湯が出る2つの蛇口タイプもあれば、シャワータイプもあります。カウンターの材質・収納扉が観音開き・開き戸などによって費用が変わる仕組みです。
60〜75cmサイズ(その2)
先述したタイプと同サイズであっても、20万〜25万円未満のワンランク上の洗面台リフォームタイプもあります。スペックと費用相場は以下の通りです。
- 仕様
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- 陶器製、人造大理石洗面ボウル
- シャワー式水栓
- 二面鏡、三面鏡
- 引き出し式収納
- 総費用の相場
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このクラスの洗面ボウルは四角く底が深いタイプが主流のため、つけ置き洗いなどが楽にできます。
75〜90cmサイズ
さらにサイズの大きい75〜90cmクラスの洗面台になると、かかる費用は25万〜30万円未満になります。このサイズの洗面台のスペック・費用は以下の通りです。
- 仕様
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- 人工大理石製洗面ボウル
- 三面鏡
- 片引出し、フルスライド収納
- 総費用の相場
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- 洗面台:10万円台後半〜20万円前半
- 工事費:3〜6万円
このタイプは最大90cmの幅があるため、カスタマイズの選択肢が増えます。
75〜120cmサイズ
洗面台リフォーム費用が30万円を超えると、75・90・100・120cmとサイズの選択肢が増え、最大の幅である120cmの洗面台が選べます。このタイプのスペックと費用相場は以下の通りです。
- 仕様
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- 人工大理石製洗面ボウル、ベッセル型、2ボウル型
- 三面鏡
- 2段引き出し型、3WAYキャビネット
- 総費用の相場
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スペース・予算に余裕があれば、このタイプの特徴であるベッセル型(カウンターの上に洗面台を設置するスタイル)も可能です。機能性に加えてスタイリッシュさも追求できます。
その他
洗面台だけでなく洗面所全体のリフォームをする場合、さらに費用がかかります。洗面所リフォームの種類およびそれにかかる費用相場は以下の通りです。
- 洗面所の床・クロスの張り替え:5~6万円
- キャビネット追加:7万5,000~10万円
- 鏡の曇り止めコーティング:2,000〜1万円
- 室内物干しの追加:5万円~
- 可動棚の追加:5万円~
また、洗面台がなかった場所に新しく洗面台を設置したい場合は、配管工事費用5万円ほど、電気配線工事の費用3万円ほどがかかります。
監修者:
一級建築士
林 由紀子
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洗面台の収納は“何をどこにしまうか”をイメージすることがとても大切です。普段使っている化粧品やタオル、ストック品などを事前にリストアップしておくと、収納の形状やサイズが見えてきます。引き出しの深さや奥行きによって使い勝手が大きく変わるため、手持ちのアイテムを採寸してから選ぶのがおすすめです。
洗面台リフォームで後悔しないポイント
洗面台をきれいにリフォームしてみたものの、後になって使い勝手が悪く不便に感じるといった失敗例は珍しくありません。
決して安くない費用を費やしてリフォームしたのに後悔した、という事態を回避するにはどんな点に注意すればいいのでしょうか。
次より洗面台リフォームで後悔しないためのポイントについて、詳しく説明します。
優先順位を把握しておく
洗面台で最も多い使用用途はないかを事前に把握して、その使用用途に合わせたリフォームをすることが大事です。それをしないで安さだけに釣られて適当にリフォームをすると、普段の生活に支障をきたします。
居住空間のサイズなどを把握して、自分の現在・将来のライフスタイルに適したリフォームを事前に考えることが大切です。
洗面所のリフォームで後悔したポイントは?
リフォーム
経験者
Mさん
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子どもが使いやすいように…と考えて低めのタイプを選んだのですが、いざ使ってみると、大人が毎日使うには少しかがむ姿勢になってしまって、地味に疲れます。踏み台で調整すればよかったと、ちょっと後悔しています。
リフォームのタイミングを知っておく
洗面台の寿命を知っておくことも、洗面台リフォームでは大事なことです。洗面台リフォームは水道の蛇口・排水ホース・洗面ボウルの劣化が目立ってきた際に行います。
しかし不具合が急に発生して慌ててリフォームすると、洗面台を修理するほうだけに気を取られて、自分に適したリフォームは後回しになってしまいます。それぞれの箇所をチェックして劣化具合を常に確認しておくことが大事です。
複数の業者を比較する
リフォームする時は、専門業者を見つけ次第すぐに申し込みをするのではなく、複数の業者をピックアップして比較をしましょう。比較をすることによって、料金だけでなくそれぞれの特色が浮き彫りになるので、自分に適した業者を見つけやすくなります。
監修者:
一級建築士
林 由紀子
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安心してリフォームを進めるためには、業者からの見積もり内容を丁寧に確認することが大切です。保証の有無や「諸経費」などのあいまいな表現がないかも、しっかりチェックしましょう。また、可能であればショールームで実物を見るのもおすすめです。写真やカタログではわかりにくい扉の開け閉めの感覚や収納の奥行き、鏡の高さなどを実際に試してみることで、「わが家に合うかどうか」がぐっとイメージしやすくなりますよ。
洗面台リフォームの選び方や種類別メリット・デメリット
先述した通り、洗面台リフォームにはさまざまなタイプがあり、タイプによって費用が変わります。また、そのタイプによってそれぞれの特色があるため、タイプ別の特色を把握しなくてはいけません。
では次より洗面台リフォームの選び方・種類別のメリット・デメリットについて説明します。
60〜75cmサイズのメリット・デメリット
60〜75cmサイズの洗面台リフォームのメリットは、費用を安く抑えられる点です。洗面台の使用に多くを求めないで安く済ませたい人・洗面所のスペースに余裕がない人はこのタイプが向いています。
また、同じサイズでもある程度費用をかければ、四角タイプの洗面ボウル・シャワー式蛇口の設置もできるので、ある程度の機能性を上げることも可能です。
ただし、最小限のサイズのため、他の洗面台のように多機能・見た目のおしゃれさの追求に向いていないデメリットがあります。
75〜90cmサイズのメリット・デメリット
75〜90cmサイズの洗面台リフォームのメリットは、鏡・収納がランクアップする点です。普段、メイクなどで洗面台の使用を重要視する人は、このタイプが向いています。化粧品などの種類が多い人でも楽々と収納可能です。
また、洗面台のスペースを縮小して、空いたスペースにカウンターを設置することもできます。
ただしこのタイプは、洗面ボウルの素材が人造大理石製のため、陶器と比較すると変色に弱い点がデメリットです。
75〜120cmサイズのメリット・デメリット
75〜120cmサイズの洗面台リフォームのメリットは、その広々とした幅です。スペースに余裕があるため、さまざまなデザインに対応できます。広さに余裕があるため、スタンダードなデザインではないおしゃれな洗面台の設置が可能です。
ただの洗面所ではないおしゃれな空間にこだわりたい人は、このタイプが向いています。ただし、他の洗面台リフォームに比べると、最も費用がかかるのがデメリットです。
洗面台リフォームの施工までの主な日数と流れ
実際のリフォームはどんな感じでしたか?
リフォーム
経験者
Cさん
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作業全体は2日で終わりましたが、騒音やホコリもほとんど気にならず、想像以上にスムーズに進んだ印象です。終わってからは説明も丁寧で、安心して使い始めることができました。
リフォーム
経験者
Cさん
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解体作業のとき、思っていたより古い洗面台の裏側が汚れていてびっくりしました。壁紙や床の色もすっかり変色していて、「あぁ、こんなに年季が入ってたんだな…」と少しショックを受けたのを覚えています。
でも、そこから新しく床やクロスを貼り替えてもらって、空っぽの洗面所がどんどんきれいになっていくのは見ていて気持ちが良かったです。
リフォーム
経験者
Cさん
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実は、最初に選んだ洗面台の鏡収納が当日搬入時にサイズ的にギリギリで、壁との間に少し段差ができそうになったのですが、現場で職人さんがうまく調整してくれて、そのままきれいに収まりました。「現場判断で細かく対応してくれるって、やっぱりプロだな」と感心しました。
洗面台リフォームの施工はどのような手順で行われ、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。その流れと日数について説明します。
洗面台リフォームのみの場合
洗面台リフォームのみの場合、以下の手順で作業は進められます。
1.業者選び
まず最初にやることは業者選びです。いくつかの業者をピックアップして料金などを比較しましょう。このときに業者の口コミなどもチェックすることも大事です。
2.申し込み
依頼する業者が決まったら連絡をします。早ければ当日〜翌日の午前中から作業開始になりますが、業者のスケジュールもあるため、早急なリフォームを希望してもすぐには作業が開始できない場合もあります。
3.作業開始
予定日の時刻になると業者が自宅に到着して作業開始です。作業は以下の手順で行われます。
- 室内の養生
- 洗面台の解体および搬出
- 水道元栓の閉栓
- 新しい洗面台の搬入および設置
- 化粧鏡、キャビネットの搬入および設置
- 通水、漏水のチェック
4.作業完了
すべての設置が完了すれば、業者から新しい洗面台の使い方の説明があり、それが済めば作業は完了です。早ければ半日、遅くても2日で作業は完了します。作業中は洗面所は使えません。
洗面所全体のリフォームの場合
洗面所全体のリフォームは、以下の手順で行われます。
1.業者選び、申し込み
「洗面台リフォームのみの場合」と同じ流れです。
2.洗面台の解体
室内の養生→洗面台の解体および搬出→水道元栓の閉栓までは「洗面台リフォームのみの場合」と同じ流れです。
3.内装工事
洗面台のなくなった洗面所の床・クロスを新しくします。
4.新しい洗面台などの搬入・設置
新規の洗面台・化粧鏡・キャビネットの搬入および設置をします。
5.完了
設置完了後、業者から説明を受ければ、すべての作業は完了です。作業期間は早くて1日で終わりますが、洗面台および洗面所の規模が大きければ最長4日ほどかかる場合もあります