住宅価格高騰の中、“持ち家派56.5% vs 賃貸派43.5%” 857人調査と生活者の声で探る住まいのリアル

住宅価格の上昇やライフスタイルの多様化を背景に、「家は買うべきか、それとも借りるべきか」という永遠のテーマが再び注目を集めています。

弊社が857人に実施したアンケートでは、持ち家派56.5%・賃貸派43.5%と拮抗する結果となり、このテーマへの関心の高さが浮き彫りになりました。そこで実際に持ち家を選んだ人、賃貸を選んだ人に話を聞き、そのリアルな声を紹介します。

住宅価格高騰の中、“持ち家56.5% vs 賃貸43.5%” 857人調査で見えたリアルな選択

弊社アンドリフォームが行った住宅アンケートでは、857名の回答者のうち持ち家派が全体の約56.5% を占め、依然として多数派であることがわかりました。内訳を見ると、「持ち家(戸建て)」が388名(45.3%) と最も多く、次いで 「賃貸(マンション・アパート)」が331名(38.6%) という結果 になりました。さらに、「持ち家(マンション)」は96名(11.2%)、「賃貸(戸建て)」は42名(4.9%) と続きます。

国の調査で示される「持ち家率約6割」という水準と近い結果となっており、依然として持ち家志向が多数派である一方で、賃貸を選ぶ人も4割を超えるなど、実態としては拮抗していることが明らかになりました。

住宅市場の変化と“持ち家VS賃貸”をめぐる価値観

参考元:国土交通省

近年、都市部を中心に住宅価格が上昇し、首都圏の新築マンション平均価格は過去最高を更新しました。国土交通省の不動産価格指数(住宅)でも、令和7年3月時点で前月比3.1%増と上昇傾向が続いています。

一方で、総務省の住宅・土地統計調査(令和5年)によると、世帯主が若いほど借家率が高く、特に20〜30代では賃貸志向が強いことがわかります。住宅全体に占める持ち家の割合は約60.9%で、地域や年齢層によっても大きな違いが見られます。

さらに、総務省統計局の国勢調査住宅特性図では、地域や年齢層によって持ち家率・借家率に違いがあることも視覚的に示されています。
統計や調査からは住宅市場の姿が浮かび上がりますが、家を「持つか?借りるか?」は、数字では割り切れない“人生の選択”。収入や家族構成、将来の見通し、そして「どんな暮らしをしたいか」という価値観によって、その答えは大きく変わります。

だからこそ、これからの暮らしを考える人にとって気になるのは“リアルな声”。

実際に持ち家を選んだ人・賃貸を選んだ人は、どんな理由で決断し、どんな思いを抱いているのでしょうか。ここからは、それぞれの立場から語られた生の声をご紹介します。

「賃貸は妥協ではなく選択」20代後半・Nさん夫婦が選んだ賃貸生活

20代後半のNさんは、夫と子どもと3人暮らし。結婚後しばらくは実家で祖父母と同居していましたが、1歳になった娘さんが動き回るようになり、祖父母の暮らしとのすれ違いが増えてきました。

「そろそろ家族だけで暮らすほうがいい」と考え、結婚から1年後に2LDKのアパートへ引っ越したそうです。

ーー賃貸を選んでよかったと思う点はありますか?
Nさん:まず初期費用が抑えられるのが大きいです。すぐに引っ越し先を決めたい状況で、持ち家だと時間がかかることもありました。頭金や諸費用を準備しなくても引っ越しできるので、家計的にも安心でした。」

ーーほかにメリットは?
Nさん:「比較的すぐに引っ越せることですね。ライフスタイルや家族構成が変わっても柔軟に対応できます。子どもが成長して部屋数が必要になったときや、転勤・転職のときでも、大きな負担なく住み替えできるのは賃貸ならではです。」

ーー将来の暮らしを考えるうえで意識していることはありますか?
Nさん:「うちの場合、将来どのエリアに定住するかが定まっていないんです。子どもが未就学児なので特に校区は慎重に選びたくて。先の暮らし方がまだ読めない部分もあるからこそ、今の段階では身軽に動ける賃貸の方が自分たちには合っていると感じています。」

ーー“将来のエリアを決めきらなくていい”というのは、賃貸ならではのメリットですね。
Nさん:「『ここにずっと住まなきゃ』と縛られない分、気持ちにも余裕が持てますね。」

Nさんにとって、賃貸は“妥協”ではなく“選択”。子供の成長や家庭を取り巻く状況に合わせて住まいを変えていける安心感が、今の暮らしを支えているようです。

ーーでは、ある程度将来が見えてきたときはどうしますか?
Nさん:「持ち家を全く考えないって事はないんですが、今のところ私は”賃貸派”ですね。コスパや家族のことはもちろんですが、結局のところ、賃貸暮らしが好きなんです。」
「持ち家と違って、あれこれ管理しなくていいし、保険や固定資産税のことも考えなくていい。あと私は近所づきあいが苦手なので、町内会に入らなくていいのも地味に大事なポイントです。」
「この身軽さが持ち家にはない安心感ですね」

Nさんの言葉からは、持ち家への憧れを抱きながらも「今の自分たちに合った暮らし方」を大切にしている姿が伝わってきます。
人生のステージによって住まいに求めるものは変わるもの。だからこそ「賃貸か、持ち家か」という単純な二択ではなく、自分たちの状況に合った選択をしていくことが重要なのだと感じさせられます。

一方で、住宅価格が高騰する中でも「やはり長期的には持ち家が安心」と考え、早い段階で購入を決断した人もいます。次は持ち家を選んだ方の声をご紹介します。

「家賃を払うならローンに」――30代・Sさん夫婦の決断

Sさん夫婦は、2歳のお子さんと猫1匹と暮らす4人家族。

数年前までは賃貸マンションで暮らしていましたが、「毎月の家賃と同じくらいの負担でローンが組めるなら、いずれは自分の資産になる家を買った方がいい」と考え、郊外の新興住宅地に戸建て住宅を購入しました。

ーー持ち家を選んだ一番の理由は?
Sさん:「やっぱり“家賃がもったいない”と感じたことですね。月々の支払いがローンでもほとんど変わらないなら、将来的に自分の財産になる持ち家を選んだ方がいいと思いました。」

ーー実際に住んでみてどうですか?
Sさん:「子どもが思いっきり遊べる庭があるのは本当に大きいです。ペットも自由に走り回れるし、上下階の音を気にせず暮らせるのは戸建てならでは。のびのびと生活できるようになりました。」

ーー不安はありませんでしたか?
Sさん:「ローンを背負うことには最初は少し不安もありました。でも、老後に家賃を払い続けるよりも安心感があるし、“自分の家”だと思えるだけで暮らしの満足度が全然違います。」

ーー戸建て生活で一番満足しているところは?
「実は、私より主人の心境の変化の方が大きかった。それまで掃除どころか整頓もろくにできなかったんですが、家を買ってからはゴミ出し、掃除機かけ--週末、家の外壁を洗うのも主人。とにかく掃除を積極的にしてくれるようになって。家を大切に使いたい気持ちが彼を変えたんだと思います。」

『家が”自分のもの”になる』『ローンを組んで大きな買い物をする』こと自体が人生においてとても大きい決断。気持ちや行動にも思わぬ変化がもたらされたようです。

ーーこれからの暮らしについて、どんな展望を持っていますか?
Sさん:「子どもが成長したら部屋数を活用できるし、庭で季節ごとのイベントを楽しむのも夢です。猫ものびのび暮らせていますし、この家が子どもやペットにとって“思い出の場所”になっていくのが嬉しいですね。」

持ち家を選んだことで、Sさん夫婦は「資産を持つ安心感」だけでなく、「家族の時間や習慣の変化」といった目に見えない価値も手に入れました。掃除やメンテナンスに前向きになったご主人の姿や、子ども・ペットが自由に過ごせる環境は、まさに持ち家だからこそのメリットといえるでしょう。

“持ち家か、賃貸か”ーー 理想の暮らしはどっち?

しかし住宅価格が高騰するいま、賃貸か持ち家かの選択は誰にとっても簡単ではありません。
「将来の柔軟さを重視して賃貸を選ぶ人」と「長期的な安心と資産形成を見据えて持ち家を選ぶ人」。どちらにも納得できる大きな理由があります。

アンケート結果でも、持ち家派と賃貸派の割合はおよそ拮抗しており、“一方が圧倒的に優勢”というわけではありません。今回紹介したNさんやSさんの声は、まさにそれぞれの立場を代表するリアルなケースといえるでしょう。

結局のところ大切なのは、“どんな暮らしを送りたいか”という自分たちの価値観。家族の形やライフステージに合わせて、最適な選択を見つけていくことが重要です。あなたにとって理想の暮らしは、賃貸でしょうか?それとも持ち家でしょうか。

【調査概要】
・調査期間: 2025年08月28日~2025年09月04日
・調査機関(調査主体):アンドリフォーム運営事務局
・調査対象: 18歳以上の男女
・有効回答数(サンプル数): 857件
・調査方法(集計方法、算出方法): webアンケート

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