【2025】子育てグリーン住宅支援事業でエコな家にしてみませんか?
最終更新日:2025年6月30日
子育てグリーン住宅支援事業とは
リフォーム
経験者
Yさん
- 子育てグリーン住宅支援事業(※令和6年度)の補助対象工事を活用し、大きなリフォームを行いました。
特に感動したのは、断熱性能が格段に上がったことで、冬でも朝起きたときに「寒っ…」ってならないこと。家の中のどこにいても温度差が少なくて、冷暖房の効きもよく、以前より光熱費もだいぶ下がりました。
子育て対応の改修もして、キッチンからリビングがよく見えるようになって、子どもたちの様子を見ながら安心して料理できるのがほんと助かってます。あと、収納が増えて片付けもラクになったし、家の中の段差が減って転びそうになることもなくなりました。
空調と換気も見直して、空気のこもり感がなくなって気持ちいい!子どもが喘息持ちなので、こういう改善は地味だけど本当にありがたいです。
補助金が出たおかげで、これだけやっても思ってたより費用が抑えられたのも嬉しいポイント。暮らしの快適さがほんとに変わったなって感じてます。
「子育てグリーン住宅支援事業」とは、2024年度からはじまった国の補助金制度です。
省エネ性能の高い住宅の新築やリフォームを支援する制度で、住宅の省エネ化を促進することを目的としたものです。
この制度は新築住宅だけでなく既存住宅も対象になります。
簡単に言えば住宅の省エネ化、エコ住宅設備を促すための制度で、補助金申請にはいくつかの条件を抑えておく必要があります。
「ほかの制度と併用できるの?」
「エコな住宅設備ってどんなものが対象?」
など分からない方へ向けて、本ページでは条件や補助金の費用、抑えるべき条件や注意点などを詳しくご紹介します。
補助金を申請する条件は?詳しく解説!
まず把握しておきたいのは新築住宅と既存住宅では条件や内容が変わることです。
これから新築住宅と既存住宅での条件の違いについてまとめていきます。
新築住宅の場合
主な対象者は制度の名の通り子育て世帯や若者夫婦世帯ですが、2025年度より新たにどの世帯でも「GX志向型住宅 (※)」を建てれば補助金の対象になることが分かりました。
子育て世帯は18歳未満の子どもがいる世帯、若者夫婦世帯は夫婦のいずれかが39歳以下であることが条件です。
GX志向型住宅は簡単に表現すると高性能な住宅のことです。
※GX志向型住宅→以下の3点すべてに適合する住宅
①断熱等性能等級6以上
②再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削除率35%以上
③再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削除率100%以上
監修者:
一級建築士
林 由紀子
- GX志向型住宅は高性能で、省エネ効果も高い分、初期費用が気になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、光熱費の節約効果は毎月しっかりと実感でき、長い目で見ればご家族にとって大きなメリットに。室内の温度差が少なくなることで、お子さまやご家族の体調管理もしやすく、健やかな暮らしにつながります。
新築住宅の場合、家の省エネ性能に応じて最大160万円の補助を受けられます。
対象者 |
対象住宅 |
補助金額 |
すべての世帯 |
GX志向型住宅 |
160万円 / 戸 |
子育て世帯 若者夫婦世帯 |
長期優良住宅 |
建替前住宅等の除去を行う場合 |
100万円 / 戸 |
上記以外の場合 |
80万円 / 戸 |
ZEH水準住宅 |
建替前住宅等の除去を行う場合 |
60万円 / 戸 |
上記以外の場合 |
40万円 / 戸 |
既存住宅の場合
既存住宅をリフォームする場合は世帯の条件がないので、すべての世帯が対象になります。
ただし3種類の省エネ改修のうち2種類以上の実施が必要条件です。
省エネ工事内容ひとつの項目にそれぞれの補助金額が決まっているので補助金の最大金額が変わってきます。
対象者 |
内容 |
補助金額 |
すべての世帯 |
3種類すべて施工 |
最大60万円 / 戸 |
2種類のみ施工 |
最大40万円 / 戸 |
では3種類とはどの部分の改修のことなのか早速解説していきます。
- 開口部の断熱改修
- 躯体(外壁、屋根、天井または床(基礎断熱)の部位ごと)
- エコ住宅設備の設置
上の3つのうち2つを実施するか、3つすべて実施するかで補助金額が変わります。
ただし、①と②についてはZEH水準に相当する省エネ性能以上の改修でないといけません。
それでは具体的な改修内容についてこれからご紹介します。
監修者:
一級建築士
林 由紀子
- 築年数が経ったお住まいには、窓まわりの断熱リフォームがおすすめです。特に内窓の設置は手軽で、短い工期でもしっかりと体感できる暖かさに変わります。まずはご家族が集まるリビングなど、長く過ごす場所から始めると、毎日の快適さがぐっと高まりますよ。
工事内容と補助金額について徹底解説
工事内容は①、②、③にそれぞれ具体的な工事内容が決まっているので、詳しく解説していきます。
①開口部の断熱改修
- ガラス交換
既存窓を利用して複層ガラスに変更。
- 内窓設置
既存窓の内側に新たに窓を新設、または既存の内窓を取り除き新たな内窓に交換。
- 外窓交換
既存の窓を取り除き、新たな窓に交換。または新たに窓を設置する。
- ドア交換
既存のドアを取り除き、新たなドアに交換。または新たにドアを設置する。
上記4点のいずれかを満たし、改修後開口部が一定の基準以下になることが①の条件です。
②躯体(外壁、屋根、天井または床(基礎断熱)の部位ごと)
子育てグリーン住宅支援事業の事務局に登録された型番の製品を使用した工事のみが対象になります。
外壁、屋根、天井または床(基礎断熱)の部位ごとに、一定の使用量以上の断熱材(ZEHレベル)を利用する断熱改修が対象です。
③エコ住宅設備の設置
子育てグリーン住宅支援事業の事務局に登録された型番の製品を使用した工事のみが対象になります。
こちらは対象の商品型番が決まっているものの、対象設備が①、②と比べて多いです。
設備と補助金額をまとめたものがこちらになります。
エコ住宅設備の種類 |
補助金額 |
太陽熱利用システム |
30,000円 / 戸 |
高断熱浴槽 |
32,000円 / 戸 |
高効率給湯器(エコキュート等) |
30,000円 / 戸 |
蓄電池 |
64,000円 / 戸 |
節湯水栓 |
6,000円 / 台 |
節水トイレには2種類あります。
節水トイレ |
掃除しやすい機能を有するもの |
23,000円 / 台 |
掃除しやすい機能を有するもの以外 |
21,000円 / 台 |
監修者:
一級建築士
林 由紀子
- エコ住宅設備の中でも蓄電池は、太陽光発電と組み合わせることで、昼間に発電した電気を夜間に活用でき、電気代の節約につながります。停電時にも最低限の電力が確保できるため、防災の面でも安心。初期費用はかかりますが、光熱費の削減や環境への配慮という点で、長い目で見れば大きなメリットがあります。お子さまと一緒に環境意識が育まれるのも嬉しいポイントです。
子育てグリーン住宅支援事業での補助金申請には、これら①、②、③のうち最低でも2種類の改修工事をする必要があります。
以上3つを「必須工事」といい、2種類以上の改修工事をすることで「任意工事」として補助金を受けながら他箇所のリフォームができます。
任意工事には5種類あり、そこからまた細かく分類されています。
- 子育て対応改修
→ビルトイン食器洗機、ビルトイン自動調理対応コンロ、掃除しやすいレンジフード、浴室乾燥機、宅配ボックスの設置、防犯性や生活騒音に対応する窓やドアへの改修
- 防災性向上改修
→窓(大きさによって異なる)
- バリアフリー改修
→手すりの設置、段差解消、廊下幅などの拡張、衝撃緩和畳の設置
- 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
→冷房能力によって異なる(2.2kW~3.6kW)
- リフォーム瑕疵保険等への加入
ここで注意したいのは必須工事を2種類実施した住宅と3種類すべて実施した住宅では補助金の上限金額が異なることです。
内容 |
補助金額 |
3種類すべて施工(Sタイプ) |
最大60万円 / 戸 |
2種類のみ施工(Aタイプ) |
最大40万円 / 戸 |
新築住宅はもちろん、子育てグリーン住宅支援事業の補助金を利用して既存住宅のリフォームをする場合は何が必要か考えて選びましょう。
また、補助金額内であれば同一住宅で複数回のリフォーム工事と申請が可能です。
ただし申請ごとにすべての補助条件を満たす必要があるので気を付けましょう。
監修者:
一級建築士
林 由紀子
- 子育て対応改修には、日々の家事や暮らしのストレスを軽くしてくれる設備が揃っています。たとえばビルトイン食洗機は食器洗いの手間を省くだけでなく、調理台まわりがすっきりし、作業スペースも広がるため整理収納の効率もアップ。宅配ボックスは不在時の荷物受け取りはもちろん、玄関の一時置きも減らせます。こうした“小さな改善”の積み重ねが、住まい全体の心地よさを高めてくれますよ。
子育てグリーン住宅支援事業の補助金申請の流れ
(※)子育てグリーン住宅支援事業で施工を行い、申請できるのはグリーン住宅支援事業者(=住宅省エネ事業者)としてあらかじめ登録されている施工業者に限られています。
工事から交付申請、手続きも施工業者が一貫して行いますので、しっかり登録されている業者と契約しましょう。
気になる対象期間ですが、契約日は問わず着工までに締結された工事請負契約が対象となります。
ただし対象工事の着手期間が2024年11月22日から交付申請まで(遅くとも2025年12月31日まで)と決まっています。
予算上限に達するまでの制度ですので、お早めの申請をおすすめします。
ほかの補助金制度と併用できる?よくある疑問を解決
同一の補助対象となるリフォーム工事に対して、重複して国の他の補助制度から補助を受けることはできません。しかし地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能です。
お住まいの地方公共団体、自治体の補助金制度も確認しておきましょう。
また、リフォームの対象設備の一部が「先進的窓リノベ2025事業」、「給湯省エネ2025事業」、「賃貸集合給湯省エネ2025事業」と重複しています。
しかし「子育てグリーン住宅支援事業」で補助金の交付を受けてリフォームする場合は上記3つの事業において重複申請はできません。
そして「子育てグリーン住宅支援事業」で補助金を受けてリフォームしたり新築住宅を建てたりした場合、この補助金による収支に関する書類や帳簿はこの補助金を受けた年度終了後、5年間は必ず保管しておきましょう。
まとめ
子育てグリーン住宅支援事業を使ってリフォームすると、1戸あたり最大60万円の補助金を受け取ることができます。
リフォームであればすべての世帯が対象となるので、お住まいの住宅の古さや不具合が気になる方はこの制度を活用してのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
補助金申請の流れについての部分で述べた通り、こちらの補助金制度は予算上限に達すると早めに終了することがあります。
リフォームをご検討中の方は早めにリフォーム会社や対象業者に相談してみましょう。
監修者:
一級建築士
林 由紀子
- 子育てグリーン住宅支援事業は、家計の助けになるだけでなく、これからの暮らしをより快適に、そして安心して続けていくための制度です。
断熱性能の向上は、夏も冬も心地よい室内環境を保ち、光熱費の削減はもちろん、お子さまの健やかな成長にもつながります。また、蓄電池や省エネ設備の導入は、日々の家事をサポートしながら、災害時の備えにもなり、ご家族の安心を支えてくれます。
これからの住まいに、小さな「安心」と「快適」を少しずつ重ねていく―そのきっかけとして、この制度をぜひ活用してみてくださいね。

林 由紀子
合同会社higoto 副代表
一級建築士、整理収納アドバイザー準一級
- 大阪府出身。一級建築士。大手ハウスメーカー勤務を経て、家族とともに香川県高松市へ移住。自宅のリノベーションや子育て経験を活かし、家族みんなが心地よく過ごせる住まいと暮らしを提案している。夫と3人の子どもたちとゴールデンレトリバーと暮らす。合同会社higoto副代表として、女性視点の空間プロデュースや企画・発信にも取り組んでいる。